キャサリン妃の真っ赤なコート&黄色い花を着用した“本当の理由”とは?

  • 文:宮田華子
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TOP.jpg@KensingtonRoyal - Xのキャプチャ画像

2月26日、キャサリン妃とウィリアム王子は、ウェールズの守護聖人「聖デイヴィッドの日(3月1日)」を控えたお祝いと、昨年12月に洪水に見舞われた地域の人々と交流するため、イギリス・ウェールズのポンティプリッドを訪問した。

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大歓迎を受けたウィリアム王子とキャサリン妃。@KensingtonRoyal - Xのキャプチャ画像

今回の訪問でも、キャサリン妃の装いが注目を集めた。鮮やかな赤いコートをまとい、ウェールズの国花であるラッパズイセン(黄水仙)の形をしたリボン製のコサージュを胸元に飾っていた。

批判のきっかけとなった動画。善意の行動であっても、マナーを守ることは必要。車椅子に触れる際は許可が必要だ。

赤いコートの意味

キャサリン妃が選んだ赤いコートは、「プリンセスの御用達ブランド」として知られる「Alexander McQueen 」のオーダーメイド。このコートは彼女のお気に入りであり、昨年12月のクリスマスキャロルコンサートを含め、過去に何度も着用している。

キャサリン妃は「着回し上手」としても有名。

鮮やかな赤は、ウェールズの国旗に描かれている赤いドラゴンを象徴しており、訪問先への敬意を示すもの。キャサリン妃はこれまでも、公務の際に訪問国や地域の伝統を尊重する服装を意識的に取り入れてきたことで知られている。

風にはためくウェールズの国旗。

胸元に映える、黄色いラッパズイセンのコサージュ

キャサリン妃が赤いコートに合わせたのは、ウェールズの国花であるラッパズイセンのコサージュだった。

コートを脱いだ後も黄色い花を胸元につけていた。

ラッパズイセンはウェールズの守護聖人・聖デイヴィッドのシンボルであり、毎年3月1日の「聖デイヴィッドの日」に、ウェールズの人々が胸につける伝統がある。赤いコート同様、キャサリン妃とウィリアム王子が共にラッパズイセンを胸につけていたことは、ウェールズの文化と伝統への敬意と受け止められている。

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「服装に注目しないでほしい」は本音?

去る2月1日、Sunday Times紙に「ケンジントン宮殿は今後メディアにキャサリン妃の服装の詳細を明かさない」という旨の記事が掲載され、大きな話題を呼んだ。記事には「(キャサリン妃は)本当に重要な問題、人々、そして彼女が注目している(出来事の)要因に焦点を当てたいと考えている」との発言が引用されていた。

話題を呼んSunday Times紙の記事。記事を読むためには購読が必要。

しかし2月11日にケンジントン宮殿は声明を発表。「その発言はキャサリン妃本人からのものではなく、彼女の服装に関する情報を共有するという(宮殿側の)姿勢に変化はない」と明言し、騒ぎは収まった。

ケンジントン宮殿の声明は2月11日にリリースされた。こうした内容の声明をロイヤル側が公式に出すのは稀なことだ。

今回のウェールズ訪問でも分かるのは、キャサリン妃は訪問する国や地域の文化をヒントに服装をコーディネートすることが得意という点。ファッションを通じてさりげなくメッセージを伝えていると言われている。しかし、過度にファッションばかりが注目されることを本人は望んでいないということなのだろう。

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地元の人々との交流

今回の訪問で、キャサリン妃とウィリアム王子は地元の人々と嵐による被害の影響について話し合った。またポンティプリッドの市場を訪れ、地元の商店主とウェルシュケーキ作りを体験。その後、地域のカフェを訪れ、コミュニティの再建について意見を交わした。

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@KensingtonRoyal - Xのキャプチャ画像

現地への移動に車やヘリコプターではなく、電車を使用したことも報道された。こうした点も人々に好感を与えた。

駅で夫妻と「バッタリ遭遇」した人々は驚いたはずだ。

ガン治療の終了を報告後、少しずつ公務の機会が増えているキャサリン妃。今後も彼女のファッションに熱い視線が注がれる状況は変わらないが、同時に「本当に伝えたいメッセージ」も記憶に残るはずだ。

【次ページ:動画あり】キャサリン妃とウィリアム王子のウェールズ訪問。近距離撮影で紹介。

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ウェールズ訪問の様子がよく分かる動画。いつも人に囲まれ、注目され、「王室メンバー」という仕事は楽ではないことがよく分かる。