
キノコのもとでできた「生きた棺」に埋葬されたら……わずか45日であなたの体は生分解し、完全に自然の一部となる。
オランダの会社が、 “究極のエコ棺桶” を2023年に発表。イギリスの葬儀屋が導入している。
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100%自然に還る、菌糸でできた棺
Loop Biotech(ループ・バイオテック)社が販売している「Loop Living Cocoon」は、その名の通り「生きた棺」だ。
キノコは真菌類が生成する糸状の「菌糸」が集まってできたもの。Loop Living Cocoonは、その菌糸と麻の繊維でできており、中にはコケのマットが敷かれている。
公式サイトによると「わずか45日で生分解し、最も自然な方法で自然界に栄養素を還元」する。
ヨーロッパで一般的な土葬だけでなく、火葬や自然葬でも利用できる。疎水性も高く、霊安室での安置や、雨天時の葬儀にも対応できるという。
また、同じ仕組みで製造された骨壷「Loop EarthRise」も販売している。骨壷のフタ部分に穴が空いており、植物の苗を植えることもできる。
「菌糸の持つ自然でユニークな強さから着想を得た」と、創業者のボブ・ヘンドリクス氏とヨンネケ・ヴェストホフ氏は述べる。
「菌糸体は、死んだ有機物を自然の糧に変える壮大な生物であり、自然の創意工夫の一例です。もし、この生命の循環の一部となり、地球を豊かにし、新しい生命の源になれたどうでしょう?」
「私たちの製品は、死後を豊かにし、より良い世界を未来の世代に残すことを可能にします」
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「よりエコな葬儀」を望む声
英国内で複数の共同墓地を運営するGreenAcres社は、利用者にLoop Living Cocoonを提案している葬儀屋のひとつ。地元紙Eastern Daily Pressの取材に、「生きた棺」を提供できることを「うれしく思う」と語った。
最新の調査によると、英国では人々が従来よりも環境に配慮した葬儀を計画する傾向にあるという。
USAトゥデイによると、Loop Living Cocoonの価格は695ユーロから995ユーロ(約11万円から約15万7000円)。現在ネット注文ではヨーロッパへの発送にのみ対応しているが、そのほかの国や地域からの注文にも「製品をお届けできるよう最大限の努力をいたします」と公式サイトに記載されている。
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