人気の「ミニ・クーパー・コンバーチブル」が4人乗りオープンでも登場、魅力を紐解く

  • 文:小川フミオ
  • 写真:MINI
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人気車種「ミニ・クーパー・コンバーチブル」が2024年10月にフルモデルチェンジ。25年の第1四半期のデリバリーを控えて、2月にスペインはカタルーニャ地方のバルセロナで、メディア向けにテストドライブの機会が与えられた。

適度なサイズ感と比較的こなれた価格の4人乗りフルオープン。類のないパッケージが特長のこのクルマを紐解いていく。

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ソフトトップは走行中でもスイッチひとつで開閉可能。全開までの時間は約20秒。

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ハッチバックモデル「MINI COOPER 3 DOOR」をベースにオープンモデル化した。

ミニといえば現在、デザインの点でニュージェネレーションに入っている。23年の「ミニ・カントリーマン」を皮切りに、「ミニ・クーパー 3ドア」および「ミニ・クーパー 5ドア」、そして「ミニ・エースマン」とラインナップが新しくなった。

コンバーチブルも同様だ。「より少なく、より豊かに」を標榜。実際に、なめらかなラインとクリーンなサーフェスを持つエクステリアに目を惹かれた。

加えて、布地を連想させる素材で覆われたダッシュボードやデジタル化が進んだインフォテイメントシステムもかなり面白い。たとえばナビゲーションシステムの表示では、自動車のかたちをしたアイコンが道を走っていく画面が映し出され、ゲームを見ているかのよう。

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新鮮なデザインの円形有機ELセンターディスプレイ。
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リサイクル・ポリエステルを使用した素材張りのダッシュボードは、布地を連想させる。

そして特に注目に値するのはフロントマスク。大きな輪郭を持つフロントグリルと丸型ヘッドランプの処理が、懐かしさを感じさせつつ、それでいて新しい。

1959年に登場したオリジナルのミ二に端を発し、2001年に新生BMW ミニとしてデビューしてからも継続して使われてきたモチーフを、25年に相応しいアレンジでデザイン処理している。

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クラシカルなフォルムのヘッドライトと複雑な八角形の輪郭を持つフロントグリル。

フロントは凹凸を極力なくした印象の造型。グラフィカルというのか二次元的というのか、一見シンプル。でも実は、デザイナーに確かな力量があるからこそ、ここまでの凝縮感を盛り込んで仕上げることができたのである。

「コスメティクス」などと自動車デザインの世界で呼ばれる車体色も、やはりカラースキームに凝っている。今回の「ミニ・コンバーチブル」では、車体色の一部としてグリルの輪郭線の色がいくつか選べるようになっていて、組み合せを楽しめることも醍醐味のひとつだ。

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オープン走行をとことん堪能できる機能が満載

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バルセロナ郊外の海岸線で太陽を浴びてのドライブする様子。

ドライブでは、海岸沿いに建つ「Wバルセロナ」を起点に、山道と高速道路と海岸線、そしてバルセロナの港外を走るコースを楽しんだ。

筆者が乗ったのは、「ミニ・クーパー・コンバーチブル S」。電動ソフトトップを備えた4人乗りの車体に、2L4気筒ガソリンエンジンを搭載。150kWの最高出力と、300Nmの最大トルクで前輪を駆動する。

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ユニオンジャックのデザインを生地に織り込んだMINI Yoursソフトトップがオプションで選択可能。

1.5L3気筒エンジンも可能性としてあったかもしれないが、重くなりがちなオープンボディには、より余裕のあるエンジンがよいとのことで、2Lが採用されたそう。

運転して好印象だったのは、エンジンのなめらかな回転フィール。アクセルペダルを踏み込んでいくと、さーっと上の回転域まで回り、2,000rpmを超えたあたりから加速がついていく。そこが気持ちよかった。

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万が一の車両横転時に展開して後席乗員を保護する、ロールオーバー・プロテクションシステムも装備されている。

7段のツインクラッチ変速機は、通常のオートマチックとは異なり、マニュアルシフトの感覚を味わわせてくれる。「ミニ・クーパー・コンバーチブル」でも、ギアの選びが巧妙で、加速したいと思ってアクセルペダルに載せた足に少し力を込めた瞬間から、自動でシフトダウンして力強い加速を体験できた。

なにより感じたのは爽快感だ。ソフトトップを開けて走る際、ウインドディフレクターを使えば風の巻き込みは抑えられ、さらに乗り心地もよくなった。いわゆるオープンエアモータリングが堪能できるのである。

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後席を使わないときは、風の巻き込みを防ぐ「ウインドディフレクター」(標準装備)を装着できる。

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ニーズに合わせて多彩なオプションを用意

フルオープンのクルマは、雨の日だろうと常に幌を全開にして乗るのがスタイリッシュなのだが、そこまでストイックさを追求する必要もない。

適度に外を感じたいときは、幌を上げたまま40センチだけ開けられるサンルーフモードを使うことも可能。ユーザーのニーズを想定して多様なオプションを用意しているのが、このクルマのよさだ。

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オープンで走行した1回の走行時間と累計走行時間が表示される、オールウェイズ・オープンタイマー。

さらに「ミニ・クーパー・コンバーチブル」には面白い機能がある。オールウェイズオープン・タイマーといって、オープンで走った時間と距離が大型円形モニターに表示。しかもアニメーションを効果的に使っていて、外気温に合わせて画面の中の景色が変わるのだ。寒いときは木々に雪が積もっている、といった具合だ。

「ミニ・クーパー・コンバーチブル」は、オーナーになって使い方を覚えていくのが楽しいクルマなのである。

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上にもリッドが付き、積込み開口部を拡大できるイージーロードシステム付きラゲッジルーム。

ミニ・クーパー・コンバーチブル S

全長×全幅×全高:3,880×1,745×1,435mm
ホイールベース:2,495mm
1,998cc  4気筒エンジン 前輪駆動
最高出力:150kW@5,000rpm
最大トルク:300Nm@1,450~4,500rpm
乗車定員:4名
価格:¥5,140,000
問い合わせ先/MINI
www.mini.jp