シューズの新トレンドはローファースニーカー!大人に刺さる一足がここに【セレクション前編】

  • 文・編集:一史
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ローファー仕立てのスニーカー、すなわちローファースニーカーが流行の兆しを見せている。ルーズな服装からキレイめにシフトしてきたタイミングでの新しい動き。カジュアルで快適な履き心地のスニーカーと、落ち着いた印象の革靴のどちらも好きな人には大好評だ。

ブレイクスルーのきっかけは、ニューバランスが2024年に発売した「1906L」である。ローファースニーカーを象徴するこのモデルをはじめ、この記事では各ブランドが手掛ける同様のシューズをセレクション。前編・後編にわけてお届けしよう。

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ブレイクスルーのニューバランス「1906L」

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素材やパーツ使いはY2Kランシューそのもので、トレンドのシルバーカラーも旬なニューバランスのローファー。¥19,800(発売時価格)

ローファースニーカーを一躍シーンの最前線に押上げたエポックメイキングな一足がこのニューバランス「1906L」である。流行が続く2000年代ランニングシューズのテック感をそのままに、伝統のコインローファーをドッキングさせた意匠。24年9月に発売されるなり即完売したのも納得する完成度の高さだ。いまという時代の気分がこの一足の中にギュッと凝縮されている。

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トラッドなローファーに姿を変えたY2Kランシューというギャップがマニア心をくすぐった。

この1906Lのヒットには裏にメーカーの仕掛けがあった。この新型を発表する前にデザイナーズブランドのジュンヤ ワタナベ マンと別注コラボして、パリ・ファッション・ウィークのランウェイショーでモデルが履いて披露。ジュンヤの展示会で撮影されたこのサンプルもネットに出回り、ニッチなハイブリッドシューズに目ざとい人たちの潜在需要を喚起。満を持して通常モデルのシルバーを発売した経緯がある。
残念ながらこのシルバーモデルを現在購入するにはリセール市場に頼るほかなさそうだ。しかし1906Lは色や素材を変えてその後も新作が登場してきている。ほしい人は今後しっかりと狙っていきたい。

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ニューバランス「1906L」の最新スエード版

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アッパー全体をスエードに変えた、大人シックなニューバランスのローファー。¥22,000 撮影:一史

25年2月14日に発売スタートした最新のローファー型「1906L」がこれ。本革スエードを初めてアッパー全体に使い、より革靴に近づけたモデルである。ニューバランスの公式ストアだけでなくファッションのセレクトショップでも同時発売され、各店が抽選販売を実施。やはりどこでも即完売となったようだ。こちらもメッシュのシルバーモデルと同様に新品での入手が困難になっている。

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やや赤み傾向の茶色と、青み傾向の黒の2色展開。パンツの裾を被せてアッパーを覆うとスニーカー見えするのがこのモデルの特徴のひとつ。撮影:一史

本来は品のいいローファーに、毛穴と色ムラが野性的なピッグスエードを採用したところにデザインの個性がある。ワークブーツのごときラフな味わいを兼ね備えている。キレイめな服装の人気が高まる一方で、土くさいワイルドな加工服も注目される現在のファッショントレンドと合致させた、いいとこ取りのシューズだ。

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ジャックパーセル×グラフペーパーの注目コラボ

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ジャックパーセルをローファーにアレンジしたコラボモデル。土踏まずをアーチ構造にして、ヒール部のクッション性も追求している。¥22,000

今年、誕生から90周年を迎えるコンバースのジャックパーセル。この記念すべき年を祝って25年はジャックパーセル祭りになりそうな予感だが、そのムードをいち早く捉えたのか、グラフペーパーが意欲的なコラボモデルを登場させた。ローファー型の「Jack Purcell for GP Suede Loafer」である。

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色はブラウンとブラックの2色。最新のファッショントレンドに敏感な人には茶系がオススメだ。

アッパーに本革スエードを採用した大人な顔つき。ローファーの型はトラッドなビーフロール式で、サドルにはジャックパーセルのアイコンマークである通称「ヒゲ」が切り込まれている。爪先の通称「スマイル」マークしかり、ジャックパーセルらしさとローファーとが巧みに融合した一足だ。
発売先は全国のグラフペーパー各店、公式オンラインストア、取扱店にて。3月29日(土)の発売を心待ちにしよう。

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UGGのふわふわでボリューミーな厚底

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アッパーにスエードを、ライニングにアップサイクルウールを用いたUGGの厚底スリッポンシューズ「Ascot Wrap Tech」。¥29,700

UGG(アグ)といえば足入れがふかふかのムートンブーツ。そのDNAを受け継ぐメンズの最新スリッポンがこれだ。アッパーはモカシン縫いで、端を縫い上げるビーフロールのディテールも備える。本格的なつくりのローファーからサドルを取り外したモデルである。
ごろんと丸いボリュームは、アッパーまでソールで包むビブラム社の新しい技術「Vibram Wrap Tech」によるもの。ユニークな見た目が実は機能なのがUGGらしいデザインセンスだ。

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25年春夏メンズコレクションの1型。アッパーまでせり上がったタイヤのようなソールは、イタリアのビブラム社が開発したもの。

毛足の長いファー素材が春夏の季節でも人気のいま、素足履きで足に優しいシューズに仕上がっている。あえてスリムパンツを組ませてパンクファッション風を狙ったり、短パンを穿く軽快な服装のアクセントにするのもよさそうだ。持っていると着こなしのアイディアを広げてくれる楽しい一足である。

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ローファースニーカーの新たな可能性を探る意欲作。色はこの写真のブラック(左)、チェスナット(右)、上部写真のマスタードシードの3色展開。

ニューバランスジャパンお客様相談室/1906L

TEL:0120-85-7120
https://shop.newbalance.jp/

グラフペーパー 東京/Jack Purcell for GP Suede Loafer

TEL:03-6381-6171
https://graphpaper-tokyo.com/

デッカーズジャパン/Ascot Wrap Tech

TEL:0120-710-844
www.ugg.com/jp

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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