日本列島を北から南へと47都道府県すべてを巡る「DEFENDER EXPERIENCE NORTH SOUTH TOUR」。DEFENDERの卓越した走行性能と快適性を堪能しながら、日本の歴史や文化、雄大な自然を体感するツアーは、いよいよ最終章を迎える。
フェーズ8では、福岡を起点に、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の5県と九州西部から縦断していくロングドライブ。古代から現代まで幾多の時を重ねてきた九州の文化と、豊かな自然に触れながら、本土最南端の佐多岬まで、DEFENDERとともに駆け抜けた。
DAY1 九州の玄関口博多から武雄温泉へ
九州最大の繁華街であり、ビジネスと観光の中心地である福岡・天神。夜が明けると、普段は人々で賑わうビル街を3台のDEFENDERが旅立つ。
最初の目的地は、天神から北へ3kmほどの港湾エリアにある須崎ふ頭だ。海外からの穀物輸入の拠点であり、隣接する中央ふ頭には大型クルーズ船が寄港する、まさに九州の海の玄関口である。「塔博士」の異名を持つ建築家・内藤多仲が設計した高さ100mの博多ポートタワーを背景に、DEFENDERのフォルムをレンズに収めた。
このタワーは、東京タワーや名古屋テレビ塔も手掛けた内藤多仲の代表作のひとつ。博多港を行き交う船舶との無線通信を担う電波塔としての機能を果たし、地上70mの展望室からは博多港や福岡市街を360度見渡すことができる。

その後、DEFENDERは博多の喧騒を後に南東へと進路を取る。約30分のドライブでたどり着いたのは、全国約1万2000社の天満宮の総本宮である、太宰府天満宮。
学問の神様として知られる菅原道真を祀るこの神社では、124年ぶりとなる御本殿の大改修が行われていた。改修期間中は気鋭の建築家・藤本壮介が手掛けた仮殿が設置され、道真公にまつわる飛梅伝説から着想を得たという斬新なデザインが、伝統と革新の調和を体現していた。古より受け継がれてきた伝統の技と、新しい時代の感性が融合する貴重な瞬間に立ち会うことができた。


千年以上の時を刻み付けた太宰府を後に、DEFENDERは筑後川へと向かう途中、久留米市で昼食を兼ねた小休止をとることに。1966年創業の老舗「丸好(まるよし)」では、地元名物の久留米ラーメンを注文。
すっきりとした口当たりと奥深い旨味をあわせ持つ豚骨スープと茹で加減の絶妙な細麺が織りなす本場の味を堪能した。

丸好食堂
住所:福岡県久留米市安武町安武本3057
Tel:0942-26-2331
身も心も温まったところで、DEFENDERはさらに南へ約18km走り、福岡県大川市向島と佐賀県佐賀市諸富町を結ぶ筑後川昇開橋へと向かう。1935年の完成時「東洋一の可動式鉄橋」と称されたこの橋は、中央部分が約23mまで上昇する昇開式可動橋で、当時の技術の粋をいまに伝えている。その重厚な鉄骨が描く構造美は橋の模型が出品された1937年のパリ万博でも賞賛を集め、2003年には国の重要文化財に指定された。近代化の足跡を刻むこの橋は、時代を超えた技術の結晶を体現しているかのようだ。


筑後川昇開橋を見終えた後、有明海に沿って南下すること約1時間半、佐賀県太良町の大魚(おおうみ)神社の海中鳥居が姿を現した。
約300年前に現在のかたちで建立された3基の朱色の鳥居は、満潮時には海面に浮かび、干潮時には歩いて下を通れる独特の景観をつくり出す。30年ごとの建て替えを重ねながら、豊漁と海の安全を祈願する人々の想いを受け継いでいる。潮の満ち引きとともに表情を変える姿は、有明海ならではの自然と信仰が織りなす神秘的な光景だ。


DAY1の最終目的地となる武雄温泉までの約30kmは激しい豪雨に見舞われた。しかし、DEFENDERの優れた走行安定性と静粛性は、悪天候をも味方につける。雨音は心地よいBGMに変わり、安全で快適なドライブを楽しむことができた。九州最大の都市の朝の静寂から始まり、悠久の歴史を持つ神社、そして近代化の歴史を物語る建造物群に触れた充実の一日は、1300年の歴史を誇る名湯、武雄温泉の宵闇のなかで静かに幕を閉じた。
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DAY2 佐世保の港町から雲仙の霊峰へ


武雄温泉での一泊を終え、街の静寂を包み込むようなまぶしい朝の太陽を浴びながら、DAY2が始まった。まずは、街のシンボルである楼門とDEFENDERの共演を目指す。「日本近代建築の父」と呼ばれる佐賀県出身の建築家・辰野金吾が設計した楼門は、1915年の完成以来、この地のランドマークとして愛され続けている。釘を一切使わない伝統工法で建てられた朱塗りの天平式楼門には、12のうちの4つの干支(子、卯、午、酉)の彫絵が施されいるが、残りの8つは、同じく辰野が設計した2階の東京駅のドーム天井に装飾されている。これまで、東京駅の干支が8つだった事は長年の謎とされてきたが、辰野が仕掛けた粋なミステリーだったということだ。明治・大正を代表する偉大な建築家にも壮大なロマンがあったのだろうと感じられる。
その後、DEFENDERは一路、長崎県佐世保市へ。かつて日本海軍の軍港として栄えたこの街は、現代では歴史的建造物と米海軍基地が共存する独特の景観が広がる。造船所のドック、レンガ造りの建物群、巨大なクレーン。入り組んだ海岸線に沿って走るDEFENDERの車窓からは、この地の重層的な歴史が垣間見える。近代日本の産業史を物語る工業遺産と、現役の軍港が共存するこの街は、まさに「生きた歴史博物館」とも言える特別な場所だ。


最初に向かったのは、「九十九島(くじゅうくしま)」の息を呑むような景色を一望できる船越展望所である。
実際には208の島々から成るこの景観は、「数えきれないほど多い」という意味を込めて九十九島と称され、日本有数の多島美を誇る。
続いて訪れた九十九島観光公園では、2021年に整備された約4.7ヘクタールの広大な芝生広場から、さらに異なる角度で島々の絶景が待ち構えていた。穏やかな冬の日差しに輝く無数の島々は、まるで水彩画のような優美な風景を描き出していた。


昼食は、佐世保の独自文化として発展した佐世保バーガーを求めて、1979年創業の老舗「佐世保バーガーミュージアム」へ。
佐世保バーガーは、戦後、米海軍基地の所在地として発展した街だからこそ生まれた一品。当初は基地内の軍人たちに親しまれていたハンバーガーが、地元の味覚に合わせてアレンジされ、やがて市民の日常食として定着。手づくりにこだわった分厚いパテ、地元の新鮮な野菜、特製ソースを使用する独自のスタイルを確立し、佐世保を代表する食文化へと成長を遂げた。まさに佐世保の歴史そのものとも言える。
2010年には九州グルメグランプリ2位に輝いた実力店の味は、ふんわりとしたバンズと肉汁あふれるパテのハーモニーが絶妙。40年以上にわたって育まれてきた確かな味わいは、この地の歴史と文化を雄弁に物語っていた。
佐世保バーガーミュージアム
住所:長崎県佐世保市船越町190-1
Tel:0956-28-5533

午後からは、一気に約110km南下し、標高約700mに位置する雲仙温泉を目指す。西九州自動車道、九州横断自動車道、長崎自動車道と高速道路網を駆け抜けるDEFENDERは、本格クロスオーバーSUVとは思えないほどの快適な走りを披露。
さらに、雲仙温泉へと続く全長9.2kmの雲仙ドラゴンロードでは、まるでレールの上を走るかのような安定感で連続するヘアピンカーブをクリアしていく。高低差約500mを優美な曲線を描いて登るこのルートは、DEFENDERとの一体感のある走りを堪能できる醍醐味に満ちていた。

この日は雪が降り注ぎ、雲仙の山々は白銀の世界へと姿を変えていた。荒涼とした雲仙地獄では、うっすらと雪化粧した地表から立ちのぼる湯煙が幻想的な風景をつくり出し、大地の鼓動を直に感じさせる。
火山活動によって形成された荒々しい地形と、かすかに降る雪が織りなす光景は、冬の雲仙がもつ独特で絶妙な美しさを湛えていた。


DAY2の締めくくりは、有明海に臨む島原港から熊本へと向かうフェリーの船旅。約1時間の航海で、DEFENDERとともに夕暮れの有明海を渡り、熊本の地に降り立った。陸と海を縦横無尽に駆け抜けた一日が、静かに幕を閉じた。明日からは、大地の息吹を感じる熊本の旅が始まる。
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DAY3 阿蘇の広大な地形を駆ける

DAY3の早朝、熊本市街を出発したDEFENDERは約1時間30分かけて阿蘇外輪山へと向かう。
最初の目的地は、阿蘇外輪山の北東部を貫く全長約45kmの絶景が続く阿蘇ミルクロード。その名は、沿道の牧場で生産された牛乳を運ぶ農道として整備されたことに由来する。
広大な草原地帯を縫うように走るこの道は、ゆるやかなカーブと大小の起伏が続くワインディングロード。その変化に富んだ地形を、DEFENDERは余裕の走りで優雅に駆け抜けていく。
冬枯れの草原が朝日に黄金色に輝き、遠くに見える阿蘇五岳のシルエットが、この地ならではの壮大な風景を描き出していく。


阿蘇ミルクロードを抜けると、阿蘇北外輪山の最高峰となる標高約936mの大観峰に到着。世界最大級のカルデラを持つ阿蘇の地形を一望できるこの展望所からは、息を呑むような360度のパノラマが広がる。
眼下には広大な阿蘇カルデラの内部に広がる田園風景、遠くには九重連山までもが見渡せる。なかでも最大の見どころは、根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳からなる五岳が描く大らかな稜線。まるで横たわる仏陀の姿(涅槃像)のように連なる山々の佇まいは、阿蘇ならではの荘厳な雰囲気に包まれていた。

そこから約40分のドライブで、たどり着いた標高約1,100mの草千里ヶ浜は、約3万年前の火山活動によって形成された火口跡に広がる直径約1kmの広大な草原だ。1月末のこの日は一面の銀世界と化し、噴煙を上げる阿蘇中岳を背景に、白銀に覆われた大地が幻想的な風景を生み出していた。

阿蘇のダイナミックな景観を堪能すると、DEFENDERは熊本市街に戻り、加藤清正が築いた熊本城へ。天守閣前に大イチョウがあったことから、「銀杏(ぎんなん)城」の愛称で親しまれるこの城は、日本三大名城のひとつであり、6階建ての大天守をはじめとする堂々たる城郭群を擁する。
2016年の熊本地震で甚大な被害を受けたものの、天守閣全体の復旧が完了するなど、着実に修復が進められている。夕陽に照らされた天守閣の勇壮な姿は、地震の傷跡を乗り越え、確かな復興への歩みを進めるこの地の不屈の精神を象徴しているかのようだった。
DEFENDERは熊本城を後にし、市内のホテルへと向かった。阿蘇の雄大な自然から熊本城の威容まで、熊本が誇るダイナミックなスケールの景観を堪能した充実の一日が、街の灯りの中で静かに幕を閉じていった。明日は、ついに九州最南にある鹿児島県へ。一行は、桜島を目指す。
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DAY4 桜島を巡り、大隅半島の絶景へ

DAY4、DEFENDERは熊本を後にし、約2時間かけて鹿児島市の桜島を目指す。まずは磯海水浴場に到着すると、頂上付近にうっすらと雪化粧が施された桜島の雄姿が。その荘厳な姿をレンズに収めた。
次に鹿児島港から桜島フェリーに乗船。約15分の航路では、錦江湾越しに桜島を望む。穏やかな冬の海面を進むフェリーからは、桜島の山容が徐々にその存在感を増していき、頂上からたなびく噴煙が、いまなお活動を続ける火山の息吹を感じさせた。

桜島に渡り立ち、その歴史を紐解くべく向かったのは月讀(つきよみ)神社だ。和銅年間(708〜715年)に創建されたこの神社は、「桜島」の名の由来とされる日本神話の女神「コノハナサクヤヒメ」を祀り、この地のパワースポットとして知られている。
1914年の桜島大噴火で被災し溶岩に埋没したものの、1940年に現在地へ移設され、以来、火山とともに生きるこの地を見守り続けている。


その後、桜島を東側へと時計回りで半周し、黒神埋没鳥居に向かう。1914年の大噴火により火山灰などで埋没した黒神神社の鳥居は、かつての高さ3mから笠木だけを地上に残すという、当時の噴火の脅威をいまに伝える貴重な遺構として、県の天然記念物に指定されている。噴火の痕跡を目の当たりにすると、自然の持つ圧倒的な力を改めて実感させられる。

ここから、桜島と陸続きである大隅半島を経て、錦江湾に沿って50kmほど南下。霧島錦江湾国立公園に指定されている「雄川(おがわ)の滝」を目指した。駐車場から約1.2kmの遊歩道を進んだ先にあるこの滝は、シラス台地が浸食されて形成された落差46m、幅60mの規模を誇り、エメラルドグリーンの滝壺と絹のような水流が唯一無二の景観をつくり出している。
九州の豊かな自然が生み出すこの神秘的な景観とともに、DAY4の旅は静かに幕を閉じた。

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DAY5 本土最南端の地へ
最終日となるDAY5は、「DEFENDER EXPERIENCE NORTH SOUTH TOUR」の終着点となる本土最南端の佐多岬へ。
まず北緯31度線展望広場では、高さ4.7m、幅5mの北緯31度モニュメントが出迎えてくれた。「31°LINE SATA」「本土最南端 佐多岬」の文字と世界地図が刻まれたモニュメントを背に3台のDEFENDERを並べ、ツアーの締めくくりを飾る記念の1枚を撮影した。
さらに歩を進め、終点となる展望台に辿り着くと、眼前には左手に太平洋、右手に東シナ海、右後方は錦江湾に臨む圧倒的な眺望が広がる。日本最古級の佐多岬灯台も望むこのパノラマビューを前に、宗谷岬からスタートした道程を振り返った。

その先のパーキングにDEFENDERを停め、ここからブーゲンビリア、ソテツ、ガジュマルなどの亜熱帯植物が生い茂る散策路を徒歩で進む。
400mほど歩くと、白と赤のコントラストが美しい御崎(みさき)神社の境内が現れる。縁結びの神として知られるこの神社は708年に創建された由緒ある社だ。
亜熱帯植物の緑と朱色の鳥居が描き出す風景は、南国ならではの趣深いものでここでしか見られない。


人々が紡いできた歴史と文化、そして豊かな自然が織りなす九州の魅力を、DEFENDERとともに体感したフェーズ8。
福岡の港町から始まり、太宰府の荘厳な社、佐世保の新旧の建造物が交ざり合う街並み、阿蘇の圧巻の火山景観、熊本城の威風堂々たるさま、そして桜島の悠然とした存在感まで。最後の舞台となった九州は、私たちへ実に多彩な表情を見せてくれた。

そしてここ佐多岬で、「DEFENDER EXPERIENCE NORTH SOUTH TOUR」の旅は、ついにフィナーレを迎えた。北海道の宗谷岬から始まり九州の佐多岬まで、日本列島を縦断してきたこの旅で出会った数々の名勝、伝統ある文化、壮大な自然の数々。
DEFENDERは日本のてっぺんから足先までの軌跡を刻むかのように走破し、この長き旅路に相応しい有終の美を飾った。
ディフェンダーコール
TEL:0120-18-5568(土・日・祝除く 9:00-18:00 フリーダイヤル)
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