スキーとクルマの組み合わせと聞くと、昭和生まれは反射的に映画『私をスキーに連れてって』を思い浮かべてしまう。ユーミンの名曲をバックに、雪道を駆け抜けるトヨタのセリカGT-FOURが最高にカッコよかった。あのクルマは映画の中だけでなく、WRC（世界ラリー選手権）でも大活躍してワールドチャンピオンを獲ったなぁ……

と、遠くを見る目になってしまったけれど、スキーとクルマはいまでも相思相愛だ。TOYOTAのスポーツカーブランドGRが手がけた最新のスポーツ4駆のパフォーマンスと、松任谷由実さんの音楽を組み合わせたイベントが苗場スキー場で開催された。

 

2025年2月6日（木）から20日（木）にかけて苗場スキー場で開催されたこのコラボイベントのコンテンツは多彩だ。

「SNOW DRIVE Experience」では、駐車場に設置された特設コースで、GRヤリスの試乗や同乗走行を楽しむことができる。「SNOW DRIVE Demo-Run」は現役ラリードライバーが本物のラリーカーでゲレンデを疾走し、花火と競演するプログラムだ。

ほかにも、LAND CRUSER GR SPORTやHILUX GR SPORTといった人気モデルが「SNOW TAXI」として会場間の移動を担当、苗場プリンスホテルのロビーではラッピングカーや“私をスキーに連れてって”仕様のセリカGT-FOURが並ぶ「SNOW DRIVE Exhibition」が開催された。

残念ながらわれわれメディアの取材日は、記録的な大雪に見舞われコースが整備できなかったため、試乗はできなかった。ただし、同乗走行した進化型GRカローラは、助手席でもアドレナリンが分泌されるほどエキサイティングだった。

 「コーン！」と乾いたエグゾーストノートが鼓膜を震わせ、全日本ラリー選手権で活躍する勝田範彦選手が自身の手足のように振り回す。ドリフト、360°ターン、さらには2回転、トリプルアクスル（？）と、まるでフィギュアスケートの選手のようにクルマが動く。勝田選手によると、「すごく乗りやすくなった」とのことで、いまから試乗する機会が楽しみだ。

 

 

 

取材終了後、トヨタ自動車GRカンパニーの高橋智也プレジデントに、このイベントを苗場で開催する理由を尋ねた。高橋さんは、以下のように答えてくれた。

「私たちのラリーカーの開発拠点はフィンランドで、つまり雪とともに開発しています。だから雪道で4駆システムの細かい制御を体感してほしいという思いがある。もうひとつ、松任谷由実さんの苗場でのコンサートが45年目ということで、その1年1年の積み重ねをリスペクトしています。私たちもユーミンのように着実に進化を遂げたいという思いと、彼女のライブの後のようにお客さんに笑顔になってもらいたいという願いから、苗場でイベントを開催しています」

高橋さんのお話を聞いてからコラボを記念したスペシャルムービー拝見すると、もう一度『私をスキーに連れてって』を見たくなった。やっぱり、スキー場でクルマは映える。