「人それぞれが解釈し、感じてもらいたい」 アーティスト・河村康輔とコラボした、Ploomの限定コレクションが誕生

  • 文:高野智宏
Share:
アーティスト・河村康輔がシュレッダー コラージュなどを創作するワークテーブル。カッティングマットにカッター、各種テープに刷毛などアナログな道具が雑然と並ぶ。

“現代におけるたばこの愉しみ”を提案してきた、加熱式たばこブランド「Ploom」。これまでファッションデザイナーの相澤陽介をはじめ、ミュージシャンの山口一郎や、アーティストのとんだ林蘭、フランスの世界的なデザイナー、オラ・イトとコラボレーションし、さまざまな限定コレクションを展開してきた。

今回、Ploomのコラボレーターとなるのは、アーティストの河村康輔。意欲的な作品づくりはもちろん、国内外の一流ブランドからの依頼も絶えない河村がPloomに描くのは、彼の絶対的なアイコンであるシュレッダー・コラージュ。エッジィなデザインが、Ploomユーザーの一服のひとときを彩る。

なにも考えないという貴重な時間が、クリエイティビティを誘発する

20250213 KOSUKE KAWAMURA0581.jpg
河村康輔(かわむら・こうすけ)●コラージュ・アーティスト、グラフィック・デザイナー 1979年生まれ、広島県出身。国内外の美術家やギャラリーにて個展、グループ展を開催するほか、名だたるグローバルブランドやクリエイターとのコラボレーションを手掛ける。代名詞の「シュレッダー・コラージュ」による作品は、多くのファンから支持されている。
20250213 KOSUKE KAWAMURA1005.jpg
2025年3月4日から発売しているストライプブルーのPloom X Advanced(一番右)。Club JTの会員限定アクセサリーとして、3つのカラーバリエーションのフロントパネルも用意されている。

喫煙者である河村康輔にとってたばことは、一段落した仕事の合間にひと息つくための大切なアイテムである一方、クリエイティブにも影響を及ぼす重要な要素であるそうだ。

「喫煙時はなにも考えずに過ごします。情報や思考でパンパンだった脳というハードディスクに空白ができることで、アイデアが生まれることもある。もしかしたら空白をつくるため、無意識ながらなにも考えないようにしているのかもしれません」

シーンにより紙巻たばことPloomを併用しているという河村だが、本格的な加熱式たばこを体験したのは、このプロジェクトへの参加がきっかけだった。

「自宅では換気扇の下で紙巻たばこを吸っていましたが、煙が少なくかつにおいが付きづらいPloomなら、リビングや車内でも吸うことができます。しかもガツンとくる吸いごたえは想像以上で、紙巻にも引けを取らない。加熱式たばこのみ喫煙できる飲食店が増えてきたこともあり、いまではPloomを常に携帯しています」

河村がPloomを手に取って抱いたのは、シンプルの極みとも言えるそのデザイン性だったと振り返る。

「モノとして完成されたデザインだと思いました。またフォルム以上に好感を覚えたのがフィット感。ちょうど手に収まるサイズと適度な重量もしっくりきて、とても心地よく感じました」

ちなみに今回、河村が手掛けたコラボモデルでは“新たな感覚”が宿された。それは後に紹介しよう。

---fadeinPager---

作品の解釈は自由、余計な情報で先入観を与えたくない

20250213 KOSUKE KAWAMURA0140.jpg
河村は「作品をどう感じてもらってもかまいません。観る方の自由です。それをタイトルや制作意図を説明することで邪魔をしたくないのです」と語る。
20250213 KOSUKE KAWAMURA0196.jpg
「デジタルでの加工も可能です。でも、物理的にシュレッダーしたほうが切り口が荒かったりして味になるのです」と、アナログで制作する魅力を説明する。

河村と言えば、写真集や雑誌などのビジュアルを引き延ばして印刷し、シュレッダーにかけ、裁断された素材を絶妙な感覚でズラして配置する「シュレッダー・コラージュ」を用いた作品が代名詞。今年、日本でも復活ライブを行うイギリスの伝説的バンド、オアシスの奇跡を辿った写真展のポスターを、ノエルとリアムのギャラガー兄弟をモチーフにその技法でつくった作品が大きな話題となった。

「今回はグラフィックにする案もありましたが、やはり僕と言えばシュレッダー。僕の作品を知らない方にも興味を持ってもらえるのではないかと、シュレッダーを採用することに決めました」

モチーフに採用したのは具体的な図柄ではなく、一部にはかすれも見えるおぼろげなペパーミントブルー。これは、50年代に発行された2色刷りの雑誌の一部を切り取ったものだという。

「ニュースページの一部で、黒いデバイスに映える色味のページを選びました。使用する素材に特別なこだわりを持たないようにしていますが、僕の中に感覚的な基準があるのでしょう。その基準とシュレッダー後の仕上がりイメージで、使うモチーフを決めています」

河村は作品に自身の思想や意図を反映することをよしとしない。そのため、モチーフには意味を持つ素材は使用せず、着色などの加工も行わない。しかも、すべての作品にタイトルすら付けないのだ。

「モチーフをシュレッダーというフィルターを通して自身の作品として成立させています。ですが、ニュース性のあるモチーフを使用したりタイトルを付けたりすると、作品に余計な情報を与えてしまう。受け手に先入観を抱かせず作品に向き合ってほしいし、格好いいでも面白いでも、観て触れた人それぞれが解釈し、感じてもらいたいのです」

---fadeinPager---

単なる喫煙道具ではなく、プロダクトとしての存在感が楽しめる

20250213 KOSUKE KAWAMURA0426.jpg
Ploomとのコラボに「喫煙具であると同時に、モノとしての存在感を楽しんでもらえたら嬉しいですね」。

シュレッダーしたモチーフの配置を何パターンも繰り返したという河村。そうした試行錯誤の末に「SPECIAL EDITION STRIPE BLUE BY KOSUKE KAWAMURA」が完成した。印刷から70有余年を経た雑誌だからこそのこすれ具合や、シュレッダーによる物理的な裁断がもたらした紙片幅の不均衡さ、そしてなにより河村の手作業による絶妙な調整によるズレ具合が、サイバーパンクの世界観を彷彿させるエッジの効いた仕上がりへと導いた。

「シュレッダーという表現方法が、Ploomのフロントパネルのフォーマットにハマりましたね。依頼を受けた当初、パネルのサイドが丸みを帯びた形状のため難しいかと思いましたが、よい仕上がりとなりとても満足しています」

ビジュアルとともに印象的なのが質感だ。シュレッダーがプリントされたパネルには「Wallpaper」、つまりは壁紙のように凹凸のある加工が施されており、それがシュレッダーの立体感ある表情を高め、これまでのコラボ作品には存在しなかったフィーリングを表現した。先に述べた“新たな感覚”とは、この手触り感のことだ。

「初回のサンプルでは期待した色が再現されなかったのですが、印刷所に頑張っていただき、満足できる色合いとなりました。デザインと手触り、そしてテーブルに置いてある佇まいなど、プロダクト自体の存在感も楽しんでもらえたら嬉しいです」

河村のシュレッダー・コラージュを宿す、Ploom最新のコラボモデル。そのソリッドなデザインのデバイスが、ユーザーの喫煙をクールに彩る。

Ploom X ADVANCED

ploom-x-club.clubjt.jp/