中国のネットの一部で、「男性用ブラ」が話題だ。とは言っても、胸を隠すのではなく、首の後ろまで紐を廻して装着し、男性の喉仏を小さな布で覆い隠すものだ。「女性が胸部を隠すのならば、男性も性的にセンシティブな部位は隠した方が良い」とのユニークな着想が発端だという。

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約100~400円の価格帯。豚の鼻のかたちをしたユニークなモノも？

韓国の有力経済紙・毎日経済新聞によると、これらの商品は既にオンラインで販売が開始されているという。5〜20元（約100〜400円）の価格帯で展開されており、布のほか、ウール、レザー、レースなど様々な素材で製作されている。

香港の英字新聞・サウスチャイナ・モーニング・ポストは、豚の鼻のかたちをしたユニークなデザインのものが、中国の大手通販サイトで7000個以上の売り上げを記録したと報じている。新たなファッションアイテムとして注目を集めているという。

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喉仏は「性的」？　隠すべきとの主張

毎日経済新聞によるとこうした商品は、中国の女性インフルエンサーであるアー・ミャオことズー・ミャオリン氏の着想が発端になったようだ。ミャオ氏は男性の喉仏について、「突出している」「敏感である」「性的な意味を持つ場合がある」と指摘し、女性の胸部と同様、カバーで覆うべきだと提唱している。

サウスチャイナ・モーニング・ポストは、ミャオ氏の呼びかけの意図として、中国における男女平等の権利向上を目指す象徴的として位置付けられている、と解説する。

こうして生まれた喉仏カバーは、ユーモラスなファッションアイテムとして捉えられている。米キリスト教系音楽専門局・ラジオUの番組「ラジオU・Mornings with Hudson & Aly」では、面白おかしくこの動きを取り上げた。

喉仏カバーは取って付けたようなデザインで、かえって男性の喉仏を強調するかのようでもある。番組ホストの2人は「魅力的には見えないかも」「海賊のアイパッチみたい」と形容。タートルネックや蝶ネクタイで喉元を覆えば事足りるため、すでにある衣服やファッションアイテムで十分では、との指摘も飛びだした。

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ユーモラスに男女差の課題を描く

発案者のミャオ氏は、男女格差をユーモラスに指摘する作風で知られる。サウスチャイナ・モーニング・ポストは、彼女が男女の役割を逆転させた風刺動画を制作しており、中国のソーシャルメディアで注目を集めていると報じる。約50万人のフォロワーを持ち、投稿の中には100万以上の「いいね」を獲得する作品もある。

こうした種類の動画はトレンドとなり、中国の短編動画配信サービスでも急速に広がりを見せているという。ある配信者は、中国語と英語を織り交ぜながら、裕福でありながら細かいことにこだわる男性を演じる動画で100万人以上のフォロワーを獲得。別の配信者も低い声で説教をし、陳腐な台詞を並べる男性像を演じる動画で80万人以上のフォロワーを集めているという。

女性が抑圧されているとの感覚をユーモアを交えて表現する動きが広がっており、その流れのなかで男性用喉仏カバーというユニークなアイテムが誕生した。ファッションアイテムとして定着するかはさておき、話題作りでは一定の成功を収めたようだ。

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