「instax“チェキ”」を片手に、アートな街、此花区を チンポム・エリイが歩く

  • 写真:廣瀬 順二
  • スタイリング:小山田孝司
  • ヘア:TAKESHI
  • メイクアップ:Mao Dooley
  • 編集&文:佐野慎悟
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大阪市此花区梅香地区では、世界に誇れるミューラルの街を目指し、各国からアーティストを招聘してミューラルを展開中。タコがモチーフの作品はスペインのユビア、モンスターや子どもたちがモチーフの作品は日本のケエシによるもの。Instagram@yu_yubs Instagram@kac_one

街中の壁面を利用したミューラルプロジェクトが進行中の大阪市此花区を、「instax“チェキ”」を片手にチンポムのエリイが散策する。街の人と触れ合いながら、楽しいコミュニケーションが広がっていく。

エリイ ●アーティスト 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。2005年に6人でChim↑Pomを結成。社会問題やそのシステムに対して独自の視点から現代のリアルを提示、都市論を展開する。国際的に活動し、国際展やビエンナーレに参加。各国の美術館に作品が収蔵されている。著書に雑誌『新潮』での連載をまとめた『はい、こんにちは―Chim↑Pomエリイの生活と意見―』(新潮社)。Instagram@elliechimpom 

 

ミューラルで彩る、素朴な下町の新たな形

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カートゥーンのアニメのカルチャーから影響を受けたイタリアのルゴシスによるミューラルは、工場跡地の錆びた壁を利用した作品。壁一面にダイナミックな構図で描かれたミューラルは、近くで見るとそのスケール感にただただ圧倒される。Instagram@lugosis ガウン¥208,000/エムエーデザビエ(エムエーデザビエinfo@ma -deshabille.com)、ドレス¥75,900/トーガ プルラ、ベルト¥35,200/トーガ トゥ(ともにトーガ原宿店 TEL:03-6419-8136) その他私物

大阪・関西万博に沸く夢洲や、人気テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパンで世界から注目されている大阪市此花区だが、急進的な再開発エリアから一歩道を外れると、そこにはまだ、昔ながらの素朴な下町の風景が広がっている。そんな此花区の街中では、建物の壁面にダイナミックな作品を描く、ストリートアートの一種であるミューラル(壁画)を展開するプロジェクトが2年前から進行しており、現在では此花区梅香エリアに世界16カ国のアーティストが手掛けた22作品が点在し、話題を呼んでいる。

富士フイルムのインスタントカメラ、「instax”チェキ”」とのコラボレーションによる特別企画として運営されているこのプロジェクトを観るために、今年で結成20周年を迎えるアーティスト・コレクティブ「Chim↑Pom from Smappa!Group(以下:チンポム)」のエリイが、万博開催間近の大阪・此花区を訪れた。

「街中で実施するアート・プロジェクトというと、行政が運営のイニシアチブを握るものが多いイメージなので、民間の企業がどのように街と関わり合いながら活動をしているのか、そんなところが気になります」(エリイ)

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「街ぐるみで楽しんでいる雰囲気が、肌感で伝わってくるのが最高!」

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WALL SHAREの事務所から手を振る川添孝信と、メキシコのウネグによる作品の前で座るエリイ。WALL SHAREでは企業からの委託による受注制作も行なっており、スポーツブランド、飲料メーカー、銀行などをクライアントに持つ。Instagram@unegsurfer

街の案内役を務めたのは、このプロジェクトを主催するWALL SHAREの川添孝信。ミューラルを広げていく活動の裏には、少なからず苦労もあったと言う。

「このプロジェクトを始めた当初は、昔ながらの街並みに突然ミューラルを出現させたことに対して、SNSなどでネガティブなコメントをいただくこともありました。そんな時に、たまたまチンポムのメンバーである卯城さんとお話できる機会があったので、自分たちの活動に対して批判や反感を受けた際の対応について、質問させていただきました。そうしたら卯城さんは『ただの感情的な悪口であれば気にする必要はないけれど、それがもし真に意味のある言葉であれば、しっかりと向き合い、その人に直接会いに行って、解決策を見出せるまで対話を続けたい』と答えられ、僕も全く同じ意見だったので、強く共感したことを覚えています」(川添)

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粘土で作成したモデルをもとに、高い再現度で描いたロシアのフォークによる作品。日本の住宅らしい三角屋根を活かした、かわいらしいキャラクターが人目を惹く。エリイは胸元のハートマークに合わせて、指でハートを表現しながら撮影。Instagram@fork_one

川添は実際に地域住人との対話に重きを置きながら、プロジェクト発足からわずか2年にして、街ぐるみの一体感を実現している。川添が街を歩けば、いたるところから住人が顔を出し、気さくに声をかけてくる。

「こういったプロジェクトは、無関心な人には『誰かが勝手にやっている』と思われてしまうことも多いと思いますが、此花区では人と人との距離がとても近くて、ミューラルを取り巻く地域の輪が成り立っているように見えました」(エリイ)

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左:高級感あふれるクラシックなデザインのハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”instax mini Evoで撮影を楽しむエリイ。デジタルカメラと同じように背面のモニターを見ながら撮影できる。 右:カメラ本体重量はわずか285gと軽量で、片手で気軽に撮影できるサイズ感が魅力。背景は「怪獣カフェ」をテーマに描いたアメリカのローレン・YSによる作品。Instagram@squid.licker
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左:スペイン・バルセロナ出身のペズによる作品。アーティストが「ハッピーフィッシュ」と呼ぶ魚たちの笑顔が、昔ながらの建物が並ぶ街の雰囲気を明るくする。Instagram@pezbarcelona 右:オーストラリアのアレサ・ブラウンによるブラック&ホワイトの2色で表現したミューラルは、プリミティブな壁画を思わせるオリジナリティあふれる作品。Instagram@_enterthedragon_

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思い出をかたちにすると、自然と会話が広がる

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イギリス・ロンドン出身のダン・キッチナーによる、東京の雨の夜を描いた作品の前で、川添が構えるカメラにポーズするエリイ。その場でプリントできる“チェキ”instax mini Evoは、街歩きや観光の楽しさをいつでも盛り上げてくれる。Instagram: @ dankitchener

川添がエリイにミューラルの説明をしていると、「壁の画やってるの兄ちゃんか? 今度うちの壁にもやってや!」と話しかけてくる住人もいた。このようにして、川添はミューラルの輪を少しずつ広げていく。

のどかな街や人との触れ合いを楽しみながら、instax”チェキ”でミューラルや風景を撮影して楽しんだエリイ。最後は川添行きつけのノスタルジックな喫茶店で画像を見返しながら、気に入った写真をその場でプリント。思い思いの言葉を、チェキプリントのフレームに書き込んでいく。

「小さい頃、父親がよくチェキで撮っていて、実家の引き出しを開けると、私と妹がお風呂上がりにパジャマ姿で並んでいるようなチェキプリントが、不意に出てくることがあるんです。一度しかない瞬間が切り取られて、かたちあるものとして残っていくところがチェキのエモさ。今日見て、肌で感じた街の雰囲気や、いろんな人と触れ合った楽しさは、このチェキプリントを見るたびに、またいつでも思い出せる。チェキで撮るとかわいく盛れちゃうところも、ずっと手元に残しておきたくなるポイントですよね!」

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街中で撮影した写真を、川添行きつけのカフェでプリント。お互いの視点で撮影したミューラルや、自分たちが写るチェキプリントを見ると、自然と会話が弾む。ミューラルに刺激を受けて、各々チェキプリントのフレームにサインペンでタギングを添えた。
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“チェキ”instax mini Evoで撮影した画像はカメラ本体にデータとして保存され、いつでも見返すことができる。プリントレバーを引けばその場でプリントでき、同じ画像を複数枚プリントすることも。思い出を気軽にシェアできるのもinstax“チェキ”の魅力。

エリイが見たミューラルタウンの景色

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モニターを見ながら撮影、好きな画像を選んでプリントできるハイブリッドインスタントカメラ“チェキ”instax mini Evo。レンズダイヤル、フィルムダイヤル、プリントレバーにより、アナログ操作で作品をつくり上げる楽しさを追求した、高級感あふれるクラシックなデザインが魅力。専用アプリにつなげばスマホの画像もプリント可能。写真のブラックとブラウンの2色展開。オープン価格/富士フイルム
Instagram@cheki_instax

“チェキ”instax mini Evoの詳細はこちら

FUJIFILM instax presents
MURAL TOWN KONOHANA

instax“チェキ”とWALL SHAREが、コラボ特別企画として主催する国際的なミューラル(壁画)プロジェクト。大阪市此花区を世界に誇れるミューラルエリアとすることを目指し、アーティストと街の人々の交流を創出しながら、30以上の作品を展開することを目標に活動中。Instagram@wallshare

富士フイルム フィルムカメラお客さま相談窓口

TEL:0570-04-1640