人気シンガーソングライター莫西子詩の自身のルーツをテーマにしたフォト詩集

  • 文:斎藤淳子
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BEIJING 北京/中国 

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手作りのボール遊びに興じる彝族の子どもたちを捉えた作品。山の子どもたちは遊びの達人だ。

個性的な歌詞と力強い歌声で世界を魅了する莫西子詩(モーシー)は、少数民族の彝(イ)族をルーツに持つアーティスト。彼の感性と斬新なカメラワークが出色のフォト詩集『自然の子ども』が、彝族の人々をよく捉えていると、話題を呼んでいる。

都市部のコンクリートジャングルから離れ、パンダの里で知られる成都市からさらに西南450キロの山あいで暮らす彝族の暮らしぶりは、ぶれずに生きる人間の温かさと生の原点を思い出させてくれる。そんな彼らの大らかさを感じさせる作品の数々は、ダイナミックでありながらどこか温かみを感じさせるモーシーの楽曲の原点ともいえるだろう。

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ニッチなファンから圧倒的な支持を得ている莫西子詩(モーシー)。青葉市子や七尾旅人といった日本の名だたるアーテイストとの親交も深い。

※この記事はPen 2025年3月号より再編集した記事です。