人間と自然の共存の可能性を問う、気鋭アーティスト・ロバート・ザオ・レンフイの凱旋展がスタート

  • 文:葛西玲子
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SINGAPORE シンガポール

1.Singapore Pavilion artist Robert Zhao Renhui and curator Haeju Kim with 窶狼rash Stratum窶・(2024). Courtesy of Robert Zhao Renhui.jpg
ヴェネチア・ビエンナーレでは、韓国のキュレーター、キム・ヘジュとともにシンガポール代表として参加。 © Robert Zhao Renhui

自然と人間の共存を探求し続けるシンガポール人アーティスト、ロバート・ザオ・レンフイ。昨年のヴェネチア・ビエンナーレで大盛況を収めた彼の凱旋展が、シンガポールアートミュージアムで開催中だ。コロナ禍のロックダウン中、自宅の窓から息子と二次林(破壊されたのちに再生した林)を観察し、自然の回復力を実感したというザオ。倉庫空間を使った大規模な展示では、植民地時代からの開発で破壊された原生林が再生した後、新たに形成された生態系を7年にわたり記録した作品を紹介する。都市開発の中に見られた、自然再生への希望を表す展示の数々は、私たちがいかに自然と共存していくべきかを問い続けている。

www.singaporeartmuseum.sg/art-events/exhibitions/seeing-forest

2.Robert Zhao Renhui, Thermal image of a walker in the forest, still from _The Owl, The Travellers and The Cement Drain_ (2024). Image courtesy of Robert Zhao Renhui.jpg
森の中で撮影したサーマルカメラの画像は、彼の代表作品のひとつ。さまざまな手法で、自然と人間の関係を表現し続けている。 © Robert Zhao Renhui

※この記事はPen 2025年3月号より再編集した記事です。