迷子のペットが見つかっても詐欺に注意。「緊急手術が必要」とウソの電話で金銭を要求

  • 文:Rikako Takahashi
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mgequivalents/shutter stock※画像はイメージです

アメリカで、ペットが行方不明の飼い主をターゲットにした詐欺が発生している。その手口はというと……。

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「緊急手術が必要」うその電話

1月下旬、米ネバダ州ラスベガス群で、犬や猫などの保護・譲渡活動を行うNPO法人「The Animal Foundation」が、「詐欺に注意!」と題してSNSに投稿した。実在する動物愛護団体を名乗り、行方がわからなくなったペットを探している飼い主を標的に、詐欺が発生しているという。

詐欺師は、貼り紙やSNS投稿などから飼い主の連絡先を取得し、「あなたのペットが見つかりました」とうその電話をかける。そして「動物病院に搬送されていて、緊急手術が必要」と理由をつけ「許可とお金」を要求するという。

「私たちたが、上記の方法で支払いを求めることはありません。このような電話がかかってきても、個人情報を教えたり、送金したりしないでください」と同団体は投稿文で警告した。

「The Humane Society(米国人道協会)」にも、同様の手口の詐欺報告が少なくとも7件あったと、米CBSニュースが報じている。なかには2000ドル(約30万円)を騙し取られた猫の飼い主もいる。

愛犬カチータを捜索していたイェディエ・レオンさんも、被害に遭いかけた。

米国人道協会のスタッフを名乗る人物から「(カチータが)車にはねられ、緊急処置のため動物病院に運ばれてきた」「緊急手術が必要なため、医療費を支払うかどうか20分以内に決めてほしい」と電話がかかってきたという。

知らせを受けたレオンさんは、初めは「喜んでお金を支払うつもりだった」そう。ところが質問を重ねると、一方的に電話を切られたという。彼が米国人道協会を直接訪ねたところ、詐欺だと判明した。

同団体のマーケティング副部長シェリ・ウェヒター氏は「家族との再会を求める人々を食い物にしようとする人々がいるのは、ただただ悲しい」と犯行を非難した。

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類似の詐欺、日本でも発生

日本でも、ペットの飼い主を狙った詐欺は起きている。迷子の犬や猫の情報をSNSで呼びかけている飼い主に、「ペットを保護している」とうそのメッセージを送り、金銭を要求するケースが複数報じられた

ペットの行方不明を防ぐため環境省は、放し飼いをしないこと、ペットに不妊去勢を施すこと、迷子札やマイクロチップなどの装着を推奨している。

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The Animal Foundationが保護している犬。

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The Animal Foundationによる詐欺の注意喚起投稿。