6万球の緑の雨が降る? パリ・オペラ座の話題作『PLAY』が、この夏、東京にやってくる

  • 文:門倉奈津子
Share:
_Main_241205-051-BF_PLAY_A Ekman (c) Benoïte Fanton OnP.jpg
『PLAY』アレンクサンダー・エクマン / パリ・オペラ座が、この夏、東京で上演。©Benoîte Fanton/OnP

2017年のパリ・オペラ座での初演時から、その奇想天外な驚きで観客を興奮の嵐に巻き込み、賞賛され続ける話題作『PLAY』が、7月25日からの3日間、東京の新国立劇場・オペラパレスにて上演される。

本作は、コンテンポラリーダンスシーンでひときわ輝く個性を放つスウェーデン出身の振付家であるアレクサンダー・エクマンが、パリ・オペラ座バレエ団のために創作したもの。最近では最新版が2024年12月から25年1月にかけて、ガルニエ宮で再演された。

エクマンは、パリ2024パラリンピック競技大会開会式の演出・振付監督でも世界中の注目を集め、いまや名声を確立しているが、『PLAY』は、その彼がまだ30代前半という若さで、振付・舞台・衣装をすべて手掛け、その名を世界に広めた、いわば出世作。

「私はいつも、より多くの人が共感できるテーマを探しています。子どもの頃は当たり前のように遊ぶことを楽しめたのに、大人になるにつれて遊ぶことをやめてしまい、少しずつ苦手意識が出てくることに疑問を投げかけ、私たちが "遊び"とどのように向き合いたいのかを考えるきっかけになる作品をつくりたかったのです」とエクマンは語る。

Portrait_Alexander Ekman_(c)Alexandre TABASTE_Web.jpg
『Play』を手がけた振付家のアレクサンダー・エクマンは、スウェーデン出身。もとはスウェーデン王立バレエ団などに所属していたダンサーだったが、2006年からは振付家として欧米で活動。©Alexandre Tabaste

その言葉のとおり、本作の第一幕は、子ども時代を彷彿とさせる自然な"遊び"、それとは対照的に、第二幕では大人になって"遊び心”を失い、真面目なルーティンに疲弊する大人の世界を表現している。彼は同時に「"遊び”は時代を超越する普遍的な欲求です。世界中で何が起ころうとも、私たちはいまこの瞬間に目を向けて"遊ぶ"ことで、幸せな気分になれるのです」とも語っている。

43人のダンサーたちが繰り広げる、縄跳びやゴムボールなどさまざまな遊びの小道具を使った創造的で生き生きとしたエネルギーに満ちたパフォーマンスは、観客を驚きと歓喜の渦に包みながら、深遠な問題を突きつけ、気づきを促してくれるだろう。 

SUB4_PLAY_A Ekman (c) Benoïte Fanton OnP.jpg
ダンサーたちは今回新たに選出されているが、アレクサンダー・エクマンをはじめ、音楽ミカエル・カールソン、衣装グザヴィエ・ロンズ、照明トム・ヴィッサー、歌唱カリスタ・"キャリー"・デイは前作から引き続き『PLAY』のステージを構成する大切なパートを支える。©Benoîte Fanton/OnP

この夏の公演は、アーティスト、スタッフをはじめ、最新版で選出された、パリ・オペラ座バレエ団のダンサーたちが来日。このコンテンポラリーダンス『PLAY』は、誰の心にも潜む無邪気な遊び心、身体が自然に踊り出すような"PLAY=遊び"感覚を呼び起こすきっかけとなるはずだ。

世界最高峰のダンサーたちによる本公演は、この夏、大きな話題となること確実。

『PLAY』アレクサンダー・エクマン / パリ・オペラ座

会場:新国立劇場・オペラハウス
会期:2025年7月25日(金)〜27日(日)
日本公演公式サイト:playoperadeparis.jp