“蜘蛛の大群”が空から降ってくる珍現象にネット驚愕「まるで蜘蛛の雨…」 「悪夢のよう」

  • 文:吉井いつき
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Remo Fotografie-Shutterstock ※画像はイメージです

蜘蛛の大群が雨のように空から降ってくるという珍しい現象が撮影され、英デイリーメールなども取り上げる話題となっている。動画は「蜘蛛の天国」とも「悪夢のよう」とも言われ、SNSで大きな反響を巻き起こした。

空を覆い尽くす蜘蛛の群れ

「蜘蛛の雨」が撮影されたのは、ブラジル・ミナスジェライス州サントメダスレトラだという。昨年12月28日にアップされたという動画には、数え切れないほどの小さな蜘蛛が空を覆い尽くしている様子が収められている。その様子は、確かに蜘蛛が雨のように降っているように見える。しかし動画をよく見ると、蜘蛛たちは空中にふわふわと浮かんでいるように見える。おそらく大きな蜘蛛の巣があるのだろう。

この動画を掲載した投稿のコメント欄には、「こんなの見たら泣く」「地獄」「これはどこ? 絶対行かない」「蜘蛛の雨という新しい恐怖が解禁されました」と嫌悪感を露わにする感想がずらりと並んでいる。AIやフェイクであってほしいというコメントもあった。

正体は蜘蛛の「乱行」

数え切れないほどの蜘蛛の大群は、なぜ空から降ってきたのだろうか? 現地の専門家によると、この現象は蜘蛛の「乱行」、つまり生殖行為なのだという。動画の蜘蛛は普段単独で行動しているが、時々集団を作って効率よく交尾を行っているのだ。

集団で交尾を行うことで蜘蛛は効率的に子孫を作り、また子孫も生き残りやすくなるという。この機会を利用して、蜘蛛のメスは複数のオスの精子を集めて受精し、体内に保存しておいて後の受精にも用いる。その結果、生まれる子の遺伝的多様性は高まる。

なお、このような蜘蛛の集団は過去にも観察されている。動画が撮影されたミナスジェライス州では、2019年にも今回のものと似たような現象が撮影され、話題になったことがある。また2021年にオーストラリアで、洪水から逃げるために蜘蛛の群れが作ったという巨大な蜘蛛の巣が、白いベールのように草木を覆う光景が話題になった。


動画でさえ見る者の多くを恐れ慄かせる「蜘蛛の雨」であるが、その実態は生命の神秘であった。

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@dailymail Rare footage captures hundreds of spiders appearing to 'rain from the sky' in a bizarre phenomenon, filmed in São Thomé das Letras, Brazil. Find out more on Dailymail.com #spider #brazil #scary #rare #news ♬ ミステリアスで憂いのあるBGM - SとN

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2019年にブラジルで撮影された蜘蛛の雨。

 

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2021年にオーストラリアで撮影された蜘蛛の大群と地面を覆い尽くす蜘蛛の巣。