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世界最大級の陶磁器・砥石メーカーであるノリタケ。その創立120周年を記念して、世界的なデザイナーとのコラボレーション「Noritake Design Collection」を立ち上げた。堀雄一朗氏をチーフクリエイティブディレクターに迎え、新たなデザイン価値を提供するシグネチャーコレクションの第一弾は、コラボレーションテーブルウェア『HOSHIKAGE』。2024年11月10日からニューヨーク市マンハッタンで行われた「Boutique Design New York 2024」で多くの反響を得たこの取り組みの裏側に迫ろう。
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ヤブ・プッシュルバーグとの新たな挑戦。伝統への敬意と未来への鼓動
『HOSHIKAGE』は、ノリタケの熟練した技術・技能と世界的に有名なデザインスタジオであるヤブ・プッシェルバーグ(Yabu Pushelberg)のユニークなビジョンが融合した作品。星の光を意味する「星影」から着想を得ているこのコレクションは、ノリタケの伝統である精緻な技法と革新的なデザインが融合した、新しい時代の到来を告げるシリーズとも言える。
19点のコレクションは、優美な天空を魅惑的な星々の煌めきで表現している。光、色、質感が織り成す幻想的な表情は、ノリタケのクラフトマンシップとプッシェルバーグの現代的な美意識の完璧な融合であり、豊かな美しさと高い耐久性を兼ね備えたテーブルウェアを生み出した。
「ノリタケの卓越した技術は、世界でも類を見ないものです。それはとても解放的で、何でも可能だと感じました」
とヤブ・プッシェルバーグの創業者であるジョージ・ヤブ(George Yabu)とグレン・プッシェルバーグ(Glenn Pushelberg)は語る。
ジョージとグレンは『HOSHIKAGE』を作るにあたり幻想的な夜空からインスピレーションを得たという。シンプルな白い皿だけが料理の盛り付けを引き立てるという概念を変え彼らにとって、夜空はコレクションのアイデアの形成に火をつけることとなった。こうして“神秘的な宇宙へと私たちを誘い、広大な宇宙と日常の食卓が同時に存在していることの奇跡を思い起こさせるような食器”というコンセプトの元、『HOSHIKAGE』は生まれた。
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堀はジョージとグレンが生み出した傑作に「Yabu Pushelbergによりデザインされたこのコレクションは、ノリタケのストーリーをひとつひとつの作品に込めた、とても感動的なものとなりました。そして、⾧く受け継がれてきた伝統的な技法に、デザインの力で全く新しい効果を生み出すことができるのか。それを問い続ける勇気を私たちに与えてくれました」とコメントしている。
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食器事業部⾧の片田智之は「ノリタケの伝統的な技術を革新的な方法で応用することで、私たちは新しい高級食器の在り方を提示しようとしています。このコレクションが世界中に共有されることに興奮していますし、世界中の食卓をどのように変えてくれるのかを楽しみにしています」とノリタケにとって極めて重要な瞬間だったと語った。
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Yabu Pushelbergがデザインした”宇宙の果てしない深み”を表現するために、プリミティブな質感の釉薬と独自の加飾技術をさまざまに組み合わせることで、デザインに奥深さを出している。生地にはノリタケ独自の素材「プレミアムホワイト」を採用し、プリミティブな質感ながらもシャープさと耐久性も兼ね備えた、新しいコレクションだ。
4月には、ミラノデザインウィークでの展示も披露目を予定しており、春には、一般にも販売開始する予定。「Noritake Design Collection」のダイナミズムや持続可能性、最新の技術で再解釈したテーブルウェアを一度その目で確かめてみるのもよいかもしれない。