ハイレゾ配信隆盛のいま、刮目すべき音楽ストリーマー「Eversolo DMP-A8」【麻倉怜士が選ぶ今月の家電】

  • 文:麻倉怜士
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〈ミュージックストリーマー〉
Eversolo DMP-A8(エバーソロ DMP-A8)

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正面のディスプレイは大型6インチの高解像度タッチスクリーン。シンプルなインターフェイスで、各種設定はもちろん、配信アプリも画面上で直感的に操作できる。¥363,000

ハイレゾ・ストリーミング配信が盛んだ。アマゾンミュージック、Apple Music に加え、昨年10月からフランスのQobuz(コバズ)が日本上陸。1億曲以上を擁し、既にオーディオファンの間で人気を博している。このトレンドに乗って、ネット音源を再生するストリーマー機器が続々と登場。特に注目はエバーソロの「DMP‐A8」だ。音のよさに加え、多機能さ、メディア対応の広さは刮目に値する。

先述の配信サービスに加えて、TIDALやスポティファイ、Deezerなど幅広く対応している。イヤホン環境がメインのハイレゾ配信を本格的なオーディオ環境で聴けるのは貴重だ。

接続形態も多様。出力は高性能DAC(デジタル/アナログ変換)によるアナログ出力、HDMI、USB、光、同軸のデジタル入力/出力を装備しているから、さまざまなデバイスに接続できる。テレビで再生する映画や音楽番組も、HDMIのARC接続をすれば、オーディオ装置にて良音質で再生可能だ。プリアンプ機能も有し、最近流行のパワーアンプを内蔵するアクティブスピーカーも直接、駆動できる。

操作は簡単で、前面パネルのディスプレイをタッチして操作、各種設定ができる。またスマホ、タブレットからは操作性に良好なアプリも使える。

最後に肝心なことだが、音がよい。コバズのハイレゾ配信では、クリアでヌケのよいサウンドが聴けた。情家みえ『チーク・トゥ・チーク』では、センター位置のボーカルが明瞭で、潤いもあり、しなやか。ベースやピアノも端正な質感で、まとまりがよい。ハイレゾ配信に注目が集まる中で、次代を切り開く期待のネットワークマシンといえよう。

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プリアンプ機能を有するため、入出力端子が豊富。USBポートも用意されており、パソコンやモバイル端末などの接続のほか、外部ストレージを利用することも可能だ。

麻倉怜士

デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

問い合わせ先/ブライトーン
info@bright-tone.com

※この記事はPen 2025年3月号より再編集した記事です。