1911年にスタートしたラリー・モンテカルロは、世界ラリー選手権、通称WRCの中で最も長い歴史を誇るラリーであり、2025年で93回の開催を数える。アルプスの予測不能な厳しい冬の天候と運転を困難にする路面状態は、マシンの卓越性を証明する舞台であり、ドライバーの持久力とマシンの性能の両方が試される、世界で最も過酷なレースのひとつとしても知られている。
これまでにさまざまなドラマを生んできたラリー・モンテカルロの歴史の中で、ポルシェとタグ・ホイヤーにとって今も忘れられない出来事として刻まれているのが1965年の大会だ。この大会でポルシェの新型911がレースデビュー。カーナンバー147をつけた911は、本格的なレース用ではなく、多少の改良が加えられた市販車同然の車両にもかかわらず、予想を上回る活躍を見せる。
コースは雪に覆われ、視界も限られた危険なレース。出走した237台のうち、南フランスのゴールに到着したのは、わずか22台。この過酷な状況下で、カーナンバー147の911は最終的に総合5位、クラス2位という輝かしい成績を収めたのであった。
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実はこのレースで重要な役割を果たしたのが、タグ・ホイヤーの前身であるホイヤーの高精度な計時機器だった。
「タグ・ホイヤー カレラ クロノスプリント x ポルシェ ラリー」は、1965年のこのレースにインスパイアされたリミテッドエディションだ。ポルシェとタグ・ホイヤーが共有するモータースポーツのレガシーを祝うものであり、成功を確かなものにしたパイオニア精神に捧げるオマージュとして発売された。
デザインは、1965年のレースに参戦したポルシェ911に搭載されたホイヤーのダッシュボードタイマーから着想を得たものだ。ブラックダイヤルは視界の悪いコンディションの中でのレースに欠かせない要素である視認性の高さを誇る。ベージュのマーキングはオリジナルの911のステアリングホイールを模したものだ。12時から4時のあたりまで記された赤いラインは、1965年のレースでポルシェ911が達成した時速0kmから100kmへの到達時間8.4秒に捧げるオマージュとなっている。
ムーブメントは自社製の「TH20-08」を搭載。約80時間のパワーリザーブを誇るクロノグラフだ。このクロノグラフ機構は、ポルシェとのパートナーシップのために特別に開発されたもので、2つのスネイル(かたつむり)型ホイールによって、中央の秒針が1分の最初の15秒間は加速して動き、その後減速してきっかり1分で一周する。サファイアクリスタルのケースバックから見えるポルシェのステアリングホイールを模したローターが、このタイムピースと911に込められたエンジニアリングの伝統をつなぐ、もうひとつの印象的な絆を形作っている。
タグ・ホイヤーのファンのみならず、ポルシェのオーナーやファンにもたまらない一本となっている。
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
TEL:03-5635-7030
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