壁画やペインティング作品の制作、CDジャケットのアートワーク提供など、国内外問わずさまざまな活動を展開するKeeenue(キーニュ)。具象でありながら抽象絵画のような、独創的で色鮮やかな世界観が作品の特徴だ。経歴を聞けば、かつて田名網敬一のアシスタントをしていたという彼女。制作の裏側を見つめるべく、アトリエを訪ねた。
現代アートのシーンで、次世代の作家たちが面白い。新時代のアーティスト38名の紹介に加え、足を運ぶべき展覧会やアートフェア、さらに現代アートを楽しむための基礎知識まで話題を広げた、ガイドとなるような一冊。2025年は、現代アートに注目せよ!
『2025年に見るべき現代アート』
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鮮やかな色とかたちがリズミカルに展開し、画面全体に目線を這わせ続けたくなるKeeenue(キーニュ)のペインティング作品。デザイナーやアートディレクターに憧れたという彼女は、大学でグラフィックデザインを専攻した。
「制作に携わりたくて、アーティストのアシスタントのアルバイトを探したんですが、続けていると忙しくてなかなか自分の作品は描けない。田名網敬一先生のアシスタントを3年続け、自分の絵を描きたい気持ちが積もっていき、辞めてアーティストを目指すようになりました」
動物や人をモチーフにした具体的なかたち、ある種のキャラクターを連想させるような描写と、色彩豊かな面や線が抽象的に展開する色彩表現。具象と抽象の融合が生まれる。
「古い絵を見るのは元々好きで参考にするのですが、最近だとさまざまな技法に挑戦したマティスに注目しました。写真もよく見ます。構図もですし、写真で見た人のポーズも絵のきっかけになります」
最近使い始めたスプレーは、絵に偶然性をもたらす道具として実験的に使い続けている。また、純粋に色とかたちを手で扱い続けるコラージュの楽しさにも目覚めた。最近では、言葉と絵の間における抽象・具象のバランスも考えるようになったという。絵画に限らずさまざまな形態の作品に挑戦し、新たな表現にも貪欲な彼女に、この先の展望を聞いてみた。
「海外でもっと展示や制作をしたいとか、いろいろ具体的な目標はありますが、想像できるものは頑張れば近づけるものですよね。だから、想像できない自分になりたいです。いまの時点で想像できないことをやっているような未来になったらいいなと思います」
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