軽妙に辛辣に映画を斬った、大喜利のようなシネマコラム集【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】『クチから出まかせ 菊地成孔のディープリラックス映画批評』

  • 文:印南敦史(作家/書評家)
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【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】
『クチから出まかせ 菊地成孔のディープリラックス映画批評』

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菊地成孔 著 集英社 ¥2,200

2012年から現在まで続く、菊地成孔による映画に関する雑誌連載をまとめた一冊。マーベル・ヒーローが集結した『アベンジャーズ』に代表される大作から、B級カルト作品を見事にリメイクしてみせた『サスペリア』まで、多彩な140作を収録している。著者が言うように、「『映画批評』というより『映画に対する反射的な大喜利』としての『コメント芸』」といった趣で、ワインでも飲みながら軽妙な映画談義を聞いているような気持ちになる。だが、その批評は時として辛辣で、“タメ”の効かせ方が心地よいのである。

※この記事はPen 2025年2月号より再編集した記事です。