「カフェでもサウナでも、アイデアは生まれる」——。作家であり、イラストレーターでもある岩田リョウコは、場所にとらわれない働き方の先駆者として知られる。
アメリカでの暮らしで始めたブログがきっかけとなり、作家としての道を歩み始めた彼女は、いまやエッセイ『週末フィンランド』の著者として、そしてサウナ・スパ健康アドバイザーとしても活躍している。
そして今回、日頃Macユーザーである彼女が、新たな試みとしてWindowsノートPC「Zenbook SORA」を手に取った。フレキシブルな働き方が当たり前となったいま、理想の働き方とそこに必要なモノとは?
---fadeinPager---
自由な働き方の先駆け、岩田リョウコとは何者か?
組織の中で働くことは、時として個人の創造性を制限する。そんな経験を、岩田リョウコは外務省職員時代に味わった。
当時、組織の中での意思決定の遅さや、行動の制約に歯がゆさを感じていたという。2011年の東日本大震災は、そんな彼女の人生観を根本から変えるきっかけとなった。
「外務省での勤務は、想像される通り非常に規律のある仕事でした。決裁も多くの方からいただいて、ようやく業務が前に進むという環境でしたね。新しいことに挑戦したいと思っても、実行に移すまでの過程が複雑で、途中で断念することも少なくありません。震災を経験して、自分のやりたいことを実現できる場所について、深く考えるようになりました」
その後、岩田は組織を離れ、フリーランスとしての道を歩み始める。自由な働き方を選択することは、同時に大きな責任を背負うことでもある。しかし、それは彼女にとって納得のいく選択だった。アメリカでの暮らしの中で始めたブログ「I LOVE COFFEE」は、彼女のクリエイターとしての出発点となった。コーヒーを通じて見える異国の暮らしを、イラストと文章で伝える試みは、多くの読者の心をつかんだ。
「人それぞれ置かれている状況や環境が異なるので、すぐに行動に移せない人がいても当然のことです。ただし、大切なのは自分で決断をすること。周囲の環境のせいにしてしまうと、その後悔がずっと心に残ってしまいます。新しいことへの挑戦であれ、なにかを諦めることであれ、自分の意思で決めた選択なら、その結果を納得して受け止めることができますよね」
現在、彼女の活動領域は大きく広がっている。作家として知られる一方で、サウナ・スパのアドバイザーとして活動。仕事とプライベートの境界を柔軟に捉え、双方を豊かに育んでいく新しいライフスタイルを実践している。場所や時間に縛られない働き方は、もはや彼女のアイデンティティの一部となっているのだ。
---fadeinPager---
本の執筆に求めるPCの機能とは? AI時代の仕事術
現在執筆を進めている新著と、それに添えるイラスト制作に追われる岩田の作業環境も、テクノロジーの進化とともに変化を遂げている。特にAI機能の登場により、制作プロセスに新たな可能性が生まれつつある。誰もが気軽にAIを使えるようになったいま、岩田は仕事にAIをどのように活用するのか、話を聞いた。
——執筆作業は基本的にどのように進められているんですか?
「私の場合、まずラフを書いて、本の全体構成を考えていきます。イラストの配置から文章の流れまで、デザイン以外はすべて自分で手掛けています。最初に本を出版した時にこのような進め方を学んで以来、ずっとこのスタイルを貫いてきました」
——最近はAI機能が充実したPCも増えていますが、ご自身の仕事環境でも変化はありますか?
「私にとってはとても大きなプラスになっていますね。実際のアシスタントはいないのですが、AIがアシスタントのような役割を果たしてくれます。たとえば、イラストで食事のシーンを描く時も、手のかたちや姿勢の参考資料が必要になります。以前は画像検索で何枚も写真を見比べながら描いていましたが、AIを使うことで、必要な参考資料をすぐに見つけられるようになりました。おかげで、仕事の作業効率が格段に向上しています」
——Zenbook SORAのAI機能は、具体的にどのように活用されていますか?
「StoryCubeという機能が特に重宝しています。現在制作中の本に使用する写真や資料の整理に活用しているのですが、AIが自動的に人物やシーンを判別して分類してくれるんです。また、Windows Copilotキーが搭載されているおかげで、アイデアが浮かんだ瞬間にメモを取ることができます。執筆の途中でなにか調べものが必要になった時も、すぐにアクセスできる環境が整っているのがとても便利ですね」
——作業効率は上がりましたか?
「はい、作業環境は大きく変化しました。特に顕著なのが、参考資料を収集する際の効率化です。これまでは複数のアプリケーションを行き来したり、数多くのブラウザタブを開いたりする必要がありましたが、現在はAIが必要な情報を適切に整理して提示してくれます。その結果、より多くの時間を本来の創作活動に充てられるようになりました」
——インスピレーションを得る方法も変わってきたのでしょうか?
「そうですね。たとえば、フィンランドのサウナ文化について執筆する際も、AIを活用して世界中のサウナに関する情報を収集したり、現地の人々の声を参考にしたりできるようになりました。ただし、実際の体験から得られる感覚は依然として大切にしています。AIはあくまでもツールとして活用し、人間ならではの感性や洞察は自分自身で深めていきたいと考えています」
---fadeinPager---
デジタルツールを駆使し、独自のスタイルを表現していく
イラストレーターとしても活動する岩田には、独自の制作スタイルがある。多くのクリエイターがペンタブレットを使用する中、彼女は長年マウスでイラストを描き続けてきた。
「イラストは自分の本のためだけに描いていて、外部からイラストの依頼を受けて制作するということはまったくしていないんです。私自身は素人のイラストレーターだと思っているのですが、それでも自分らしい表現を大切にしてきました。Illustratorでマウスを使って描くというのは、一般的ではないかもしれません。でも、長年使っているうちに自分なりのコツをつかんできました」
彼女のイラストは、シンプルでありながら温かみのある独特の魅力を持つ。それは、デジタルツールを使いながらも、手描きのような親しみやすさを大切にしているからだ。14インチの狭額縁で鮮やかな有機ELディスプレイを搭載したZenbook SORA(UX3407RA)は、そんな彼女の制作哲学にフィットした。特にグレアパネルの採用により、よりリアルに近い色の精度を表現し、本物の印刷物に近い表現を実現している。
「私の場合、イラストと文章は切り離せない関係なんです。文章を書きながらイラストのアイデアが浮かんだり、描きながら新しい文章が生まれたり。だから、両方の作業をストレスなく行き来できる環境が必要なんです」
このように、独自のスタイルを持ちながら、文章とイラストを融合させた表現を追求する彼女の創作活動を、Zenbook SORAの新たなテクノロジーが支えている。
---fadeinPager---
サウナでのひと時でも。場所を選ばない働き方
フレキシブルな働き方において特徴的なのが、場所を選ばない創作スタイルだ。岩田は特に、インターネットが使えない環境を好んで選ぶという、一見すると逆説的な方法を取り入れている。
「以前アメリカにいた時は、カフェで朝から仕事をすることが多かった。現在も締め切りが近い時はカフェで作業をすることが多いです。でも絶対にWi-Fiがつながらないカフェを選びます。なにか調べ物をしていて、Wikipediaなんかを見始めると、あっという間に本来の作業から逸れてしまうじゃないですか。その誘惑を断ち切るために(笑)」
サウナもまた、彼女にとって重要な創造の場となっている。
「サウナ内は、携帯も本も持ち込めませんから、考えることだけに集中できます。サウナではよく"ととのう”と言いますが、頭の中も整理できるんです。そういった時に、新しいアイデアが浮かびますので、すぐになにかに書き留めておきたいですね」
このようなフレキシブルな働き方を支えるのが、Zenbook SORAの優れた機能だ。最長約29時間のバッテリー駆動を実現したこのノートPCは、わずか980gの軽量ボディながら、最大1TBのSSDと最大32GBのメモリを搭載。どこでも気軽に持ち運べ、一日中安心して作業するのに、最適な一台となっている。
---fadeinPager---
自由な働き方において、大切なものはなにか?
テクノロジーの進化は、クリエイターの役割をどう変えていくのか。この問いに対して、岩田は明確な視点を持っている。AI機能を搭載したPCの登場により、クリエイターの可能性は確実に広がっている。しかし同時に、人間ならではの価値を大切にしたいという思いも強く持っている。
「人間の体験や感情を表現するというのは、私たちにしかできないことだと思います。たとえばAIに”フィンランドに行って凍った湖に飛び込んだ時の気持ちはどうですか”と聞いても、実際にそれをやったことがある人にしかその感覚はわからないのと同じで、自分たちが持っている感情や思いなどを大事にしていきたい」
特に、クラウドサービスとの連携やAIアシスタント機能の活用は、制作の効率を大きく向上させる可能性を秘めている。980gという軽量ボディながら、最大1TBのSSDと最大32GBのメモリを搭載したZenbook SORAは、そんな新しい働き方に応える性能を備えている。
「これがスタンダードになってくるなら、もっといろんなことが早く進んで、もっといろんなことが大きく成長していく。その分、自分の体験がもっと高まる使い方ができたらいいですね」
テクノロジーの進化は私たちの可能性を確実に広げている。しかし、その恩恵を最大限に活かすためには、使い手の側にも明確な意思と創造性が求められる。岩田リョウコの実践する働き方は、テクノロジーと人間性の調和を図りながら、自分らしい創造性を追求する新しい時代の可能性を示している。
ASUS JAPAN
www.asus.com/jp