家の裏庭で、1万3000年前に絶滅したマストドンの化石を発見! 専門家たちも「氷河期の生態系を解明」と大注目

  • 文:大村朱里
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Shutterstock-Trixy Gatto ※写真はイメージです

アメリカ・ニューヨークのある家の裏庭で、先史時代の“マストドンの顎”の化石が発見された。氷河期の生態系に関する新たな手がかりを提供するものとして注目を集めている。ニューヨーク州教育局は12月中旬、ニューヨーク州スコッチタウン近郊の住宅の裏庭でマストドンの顎の化石が発見されたと発表した。ニュースリリースによると、この驚異的な発見は、スコッチタウン近郊の住宅地で偶然に起こったという。家の所有者は、たまたま裏庭で土の中から2本の歯を見つけ、数センチ地下の土を掘り進めると、何かの化石ということに気づいたとそうだ。

「歯を見つけて手に取ったとき、これは普通のものではないと直感しました」と話す家の所有者は、すぐに専門家に連絡。ほどなくして発掘が行われることになった。調査を進めていくと、この化石は氷河期に生息していた“マストドンの顎”ということが判明し、その他にも保存状態の良い足指の骨や肋骨の断片も発見されたという。

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「氷河期の生態系を解明する貴重な手がかりとなる」と専門家

マストドンは、約13,000年前に絶滅したとされる大型哺乳類。発見された化石は、重要な意味を持つ大発見だと専門家たちも大注目。マストドンは、大きな体格や特徴的な長い牙で知られ、現代のゾウに近い姿をしていたと言われている一方で、平らな頭蓋骨と小さな耳を持ち、今のゾウとはまた違った特徴を持っていたといも言われている謎が多い動物。そのため、今回の発見は、マストドンがどのように生息していたのか、絶滅に至るまでの過程に関する貴重な情報を得ることができる可能性があるそうだ。

ニューヨーク州立博物館のロバート・フェラネック博士は、「この顎の化石は、氷河期の生態系を解明するための貴重な手がかりとなる」と語り、この地域に生息していた動物たちに関する新たな理解を促進するだろうと期待を寄せている。

州教育局によると、ニューヨーク州ではこれまでに150以上のマストドンの化石が発見されており、そのうち約3分の1がオレンジ郡で見つかっている。また、家の所有者は、今回の発見が自分たちの土地で起きたことに驚きと誇りを感じており、「このような重要な科学的発見が私たちの庭で見つかるなんて、本当に特別なことです」と話している。発見された化石は、ニューヨーク州立博物館とSUNYオレンジ校の研究者によって回収され、今後、詳細な分析が行われる予定だ。

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【動画】発見されたマストドンの化石。