「大丈夫、待ちますよ!」南極で撮影されたペンギンの"紳士的"な仕草が話題に

  • 文:青葉やまと
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Muhammad Adeel Ahmed-Shutterstock ※画像はイメージです

「南極の紳士」ともいうべき、なんとも慎ましいペンギンの振る舞いが話題だ。

米ユタ州から南極を訪れていた観光客カップルが、一匹のペンギンに遭遇。心通わせた一瞬のやりとりを動画でInstagramに投稿したところ、12月18日の投稿からわずか1週間ほどで、1485万件以上の「いいね」を集める人気となった。

動画は一面雪景色の南極で撮影されたもので、画面の中には1本の雪道が続いている。道を歩いているのは、投稿者のシエラ・イバラさんとケビン・スピルマンさんのカップルだ。前をゆくイバラさんを、スピルマンさんが後ろからハグして立ち止まる。

辺りに誰もいないと2人は思っていたようだが、意図せずこの雪道を塞ぐ形に。実は2人のすぐ背後に、1匹のペンギンが付いてきていた。同じ道を進もうとしていたようだ。

「まだかな」おとなしく立ち止まるペンギン

ハグのために行く手を阻まれたペンギンだったが、せっかちに回り道をして2人を抜かすでもなく、進むよう仕草でアピールするでもなく、ただじっと立ち止まって2人が進むのを待っている。

数秒あってシエラさんたちが何気なく振り返ると、後ろに控えていたペンギンを発見。自分たちが“渋滞”を作ってしまっていたことに気づいたようだ。愛らしいペンギンに笑顔になると、次の瞬間にはあわてた様子で左右に分かれて深い雪に踏み込み、ペンギンに道を譲った。

2人はおとなしく待ってくれたペンギンに感謝すべく、深々とお辞儀し、「どうぞ」とばかりに両手で行く先を示す。

紳士的に待ち続けたペンギンは、晴れてよちよち歩きを再開。道の向こうから歩いてきた仲間のペンギンと無事再会を果たした。

人間用の道に迷い込んだ

シエラさんは動画に、「ペンギンがこんなに礼儀正しいなんて知ってた?」とのテキストを付けている。また、動画コメント欄で彼女は、「ペンギンハイウェイで渋滞に遭遇。(ペンギンが)緊張のあまり、『失礼します』なんていえない様子」とのキャプションを添えた。

動画には道の脇に、小さな赤い旗が立っているのを確認できる。この旗は本来、人間の通路を示しており、人々が誤ってペンギンの営巣地に踏み込まないようガイドする役割があるという。

しかし、それは人間の都合というもので、ペンギンは自らの移動に最も楽な経路を好む。結果、人間の足で踏み固められたこうした通路に迷い込み、雪原をスムーズに移動する姿が時に見られるようだ。

「人間より品がある!」

おとなしくただただ人間が進むのを待つ健気なペンギンと、それに気づいて申し訳なく思い、まるで人に謝るかのようなジェスチャーで道を譲る人間たち。動画のコメント欄には、さりげないやりとりに心奪われた視聴者の声が寄せられている。

 わお、すごくいい! 待つ時と、進むべき時が分かっているなんて!」

「(できるならペンギンを)抱きしめたい……」

「98%の人たちよりもマナーが良いかも」

「(キャプションをペンギン視点に置き換えて)ペンギンの頭の中:人間がこんなに礼儀正しいなんて誰か知ってた?」

「いつもタキシードを着てるんだから、きっと紳士的なはず」

「かわいさに夢中!」

じっと待って、そっと歩き出す。絶妙な距離の取り方が控えめな紳士を思わせる、南極での心温まる一コマとなった。

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