27歳で他界したデザイナー&古典衣服収蔵家、髙橋大雅の博物的展覧会が29日まで

  • 写真・文:一史
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27歳の若さにして2022年に他界した髙橋大雅。
ファッションデザイナーとしても美術家としての活躍も期待された矢先での急逝でした。
彼が21年に初の店を構えたのが京都の祇園。
日本家屋をリノベートさせ、古い時代の歴史を感じさせるオリジナルの服を販売。
大雅さんは日本及び欧米の歴史的な衣服、彫刻、建造物などを多数所蔵していました。
衣服資料集めは、約2,000点にも及びます。
その目線は貴族的な豪華さや高級さを追うものではなく、ワークウェア、寺といった大衆文化と社会に根ざしたもの。
イギリスの著名なファッション学校に通い、アメリカNYで自身のブランド、T.T( Taiga Takahashi)を立ち上げた経歴と思えないほど歴史への関心を追った方でした。
美術家としても活動し、彼が尊敬するイサム・ノグチの財団の協力の元で彫刻作品を制作。
祇園の店にも置かれています。

その彼の意思を継いだ人たちにより、22年に京都・両足院で初のアート展を開催。
そしてこのたび東京・草月会館(イサム・ノグチによる空間)にて再び大きな個展が開催されています。
ただ初回と異なるのは、大雅さんの所蔵品、及びT.Tの商品の展示と販売が主軸なこと。
彼の彫刻作品も置かれていますが、継承されたT.Tの世界観を見せる展覧会といえるでしょう。

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ここに24日夜のオープニングレセプションでスナップした写真をお届けします。
(音楽演奏イベントもあったため、それ用の機材が写っててすみません)
天井近くに高く吊り下がった大量の服、床に並べられた古い木片や彫刻が大雅さんの収集品。
広場中央に下げられた服、及び上階の服(写真にはありません)が新品のT.T。
ビンテージと新品の見分けがつかない歴史の再現性がT.Tの真骨頂です。

ただし20世紀初頭前後のビンテージワークウェアやミリタリーウェアをリアルに復刻させるブランドは日本にたくさんあります。
クオリティもものすごく高く。
T.Tの服一着を眺め、それを着ている人を見ても個性は感じにくいかもしれません。
この展覧会は単品の服で伝わりにくいブランドの姿勢を体感できる貴重な機会になっています。
(とくに東京近辺で暮らす人には)

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あ、そうです、「ビンテージワークウェアとかよく知らないし」なんて人もぜんぜん楽しめます!
服を絡めた空間づくりがなにより素晴らしく、それを味わうだけで充分に行く価値あり。
オトコくさくもありませんし、入場無料ですし。
決して怖く(?)もありませんので、青山一丁目駅近辺に行く用事がある方もふらりと覗いてみてはいかがでしょうか。

なお記事最後にわたしが京都の初個展を訪れたとき、祇園の店に行ったときの写真を掲載しています。
大雅さんの世界観を知るのにご参考になるかと思いますので、どうぞスクロールして最後までご覧くださいませ!

「T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭」
草月プラザ 1階 東京都港区赤坂7丁目2-21
会期:2024年12月22日(日)〜29日(日)
www.instagram.com/taigatakahashi/

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以下、京都・両足院での彫刻作品展(2022年)

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以下、京都・祇園のT.Tの店(2022年)

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高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。