100万年前の隕石から削り出した時計がオークションに出品。その落札価格は?

  • 文:Rikako Takahashi
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shutterstock_2416884389.jpgムオニオナルスタ隕石。 Photo:Thierry Lombry/Shutterstock※写真はイメージです

カナダ・モントリオールを拠点とする時計ブランドトレダノ&チャンが、約100万年前に地球に衝突した隕石を削り制作したモデル「B/1M」を発表した。 

12月14日、米ニューヨークでフィリップスが主催するTime for Art オークションに出品され、3万5560ドル(約550万円)で落札された。

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ブルータリズム建築が影響

トレダノ&チャンは、ニューヨーク出身のフィリップ・トレダノと香港出身のアルフレッド・チャンという2人の時計コレクター/デザイナーが2021年に立ち上げたブランドだ。

公式サイトによると、2人は「ブルータリズム建築と1970年代の時計が好きという共通点からInstagramで意気投合し、アイデアを交換し始めた」。

ブルータリズムとは1950年代に現れた建築様式で、文化的要素を抑えた無骨な意匠を特徴としている。

「B/1M」は、まさに2人の好みを凝縮したモデル「B/1」のデザインをベースに作られている。「B/1」は2024年5月に発表され、4000ドル(約62万円)という割に良心的な価格設定から、45分で売り切れるほどの反響を呼んだ。

「B/1M」は「B/1」同様、数字のない文字盤に、角張ったデザインが特徴だ。アシンメトリーな四角形は、ニューヨークのホイットニー美術館の窓からインスピレーションを受けたという。

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ケースすべてが隕石

これまで、隕石を一部に使用した時計はあったが、「B/1M」はケース、文字盤、ラグすべてが隕石を削り出してできている。ストラップはダチョウの脚の革製。

CNNによると、素材となった隕石は、1906年にスウェーデンのキトキオヤルヴィ村で初めて発見されたムオニオナルスタ隕石の一部だという。 

ムオニオナルスタ隕石は主に鉄からできているため、時計には防錆コーティングが施されている。ウィドマンシュテッテン構造により形成される独特の多方向の縞模様が「別世界のような」外観を与え、「わずかに光っている」とトレダノは語った。

オークションにかけられたのは1点もののプロトタイプのみだが、2025年、トレダノ&チャンは類似モデルを限定生産する予定だ。

「ここ1年ほどの間に、人々、特に男性たちが変わった形の時計を受け入れるようになっています。時計の展望が大きく開けてきたと実感しています」

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「B/1M」

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ニューヨークのホイットニー美術館。Photo:Osugi/Shutterstock※写真はイメージです