人気モデルやクリエイターのカップルが選んだ愛用腕時計とは? 高山都・安井達郎夫妻も登場

  • 写真:丸益功紀(BOIL)
  • 文:倉持佑次
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モデル業界で活躍する高山都・安井達郎夫妻。そしてデザインとブランディングの世界で活躍する大長将之・相澤真諭子夫妻。身のまわりの物選びにこだわりを持ち、センスを高め合う両カップルに、愛用腕時計について話を訊いた。

時代を超える、ヴィンテージウォッチの魅力

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高山 都(右)モデル。1982年、大阪府生まれ。モデル業のほか執筆業、商品のディレクションなどで活動。11月14日にフォトエッセイ『高山都、もの語りひとりごと、ふたりごと』(宝島社刊)が発売。
安井達郎(左)●モデル、映像作家。1988年、愛知県生まれ。映像作家としてミュージックビデオの監督も務める。近年は写真家としての活動もスタート。愛機ライカ「M9」で、高山さんを被写体とすることも。

モデルとして多方面で活躍中の高山都と安井達郎夫妻。腕時計はともにヴィンテージのロレックスを愛用。高山は誕生日に自身へのご褒美として購入した、1982年製の「エアキング」。同じ生まれ年という出会いに惹かれた。安井は結婚記念として高山から贈られた「デイトジャスト」。流行に左右されない王道で親しみやすいデザインが気に入っている。そんなふたりは、腕時計の選び方に共通点がある。

 「ヴィンテージは、その物語性に惹かれます。長い年月を経て刻まれた傷や、数十年前の職人の手仕事が感じられる細部など、時計が歩んできた歴史そのものが魅力」

そう語る高山に安井も続ける。

 「前に大事にしていた人がいて、その人たちのそばで生きてきた時計を今度は僕たちが大切にして、また次の誰かにつないでいく。時計の歴史が紡がれていくことに愛おしさすら感じます」

受け継がれてきたものを自分たちの番で壊したくない。むしろ、さらに価値を高めて次の世代に渡したいと話す高山と安井は、時計を通して過去を見つめ、未来へと想いを馳せる。人生の物語を紡ぎ合うふたりにとって、腕時計は過去と未来をつなぐ架け橋なのだ。

ROLEX / ロレックス「エアキング」(右)
ROLEX / ロレックス「デイトジャスト」(左)

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古の道具と共鳴する、職人技に魅せられて

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大長将之(右)●クリエイティブディレクター。1992年、兵庫県生まれ。デザイナー、経営者、骨董商などの顔を持ち、国内外のさまざまなクライアントのブランディングを手掛ける。東京・南青山に「キゲンゼン」を構える。
相澤真諭子(左)●クリエイティブディレクター。1980年、埼玉県生まれ。デンマーク発の家具ブランド、フリッツ・ハンセンの日本支社長から独立した後、おもに北欧ブランドの経営、ブランディングを行う。

デザインの世界で活躍する大長将之と北欧ブランドの経営、ブランディングなどを手掛ける相澤真諭子夫妻。ふたりで運営する「キゲンゼン」は古今東西の骨董や家具が揃うアトリエだ。ここに並ぶ品々と同様、愛用の腕時計にも美意識と価値観が凝縮されている。

大長は数あるロレックスの中でも耐磁性に特化した「ミルガウス」。

「ブランドはメジャーだけどモデルはマニアックといえるところが魅力。自分のクリエイティブにも通じるものを感じます」

そう話す一方で、相澤はパテック フィリップの1960年代のヴィンテージ。文字盤にカバーがあり普段はブレスレットとして使えるところが好きだという。

「エナメル象嵌の繊細な技術が宿る文字盤にも惹かれます。ミニマルながら技が光る逸品です」

求めるのは、単なる見た目の美しさだけではないと相澤は言う。

「この時計たちには、つくられた当時の家具や建築にも通じる、時代性が反映されている。いまでは失われつつある技術でつくられた時計には特別な魅力を感じます」

腕時計はふたりの創造力を刺激するとともに、匠の技に触れ芸術性をきわめる糧となっている。

ROLEX / ロレックス「ミルガウス」(右)
PATEK PHILIPPE / パテック フィリップ「3285/11」(左)

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