アシックス「ゲルカヤノ」、歩きやすさに神経質な男が薦められたその実力はいかに!?

  • 写真・文:一史
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仕事でよく顔を合わせるアシックスのPR業務に関わる若い男性と、いまもっとも履きたいスニーカーブランドのひとつであるアシックス選びの相談をしていたとき言われたこと。
「アンタはマジで歩き心地の話ばっかする面倒くさい奴だからなぁ。そんな人には『ゲルカヤノ』。これ選んどけば間違いないっすよ。僕が履いてても楽なんで、アンタも文句ないんじゃないの!?」
(という内容をとても丁寧な日本語に直した口調で)

はい、わたしは歩きやすさに神経質なメンドクサイ人間です。
短時間で快適に走れるシューズと長時間歩きやすいシューズは異なりますし、持つ荷物の重さでも足が感じる負担は変わります。
運動オンチなものでスポーツ発想はさておき、街歩き生活をいかに快適に過ごせるかがシューズ選びの大きな基準。
とはいえファッション関連の職業という事情もありますし、お洒落な人から「これはない」と思われるシューズを履くワケにもいかず。

そこで薦められたゲルカヤノにトライしてみることに。
ゲルカヤノはアシックスの1モデルで、バージョンアップを繰り返し現在30(たしか……)まで数字があるランニングシューズ。
アシックスのデザイナー、カヤノ(榧野)さんが開発したときの社内名称が商品名になったそうです。

なかでも復刻系として世界のファッションシーンで近年に大ブレイクした代表モデルが「ゲルカヤノ14」。
2008年のY2Kモデルがベースです。
ここにお見せしているベージュ色の私物シューズも14を元にしたもの。
ただしヒトクセある表情なのは、ファッションブランドとのコラボ品だから。
シンガポールのストリート系ブランドのSBTGと、同国のスニーカーショップ「Limited Edt」とアシックスとのトリプルコラボ。
アッパーのカバーに大きく書かれた「MONSOON PATROL」はこのシューズの固有名です。
雨天対応のディテールを配し、モンスーン時期に履けるシューズということからのネーミング。

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水が入りやすい靴紐部分をカバーで覆い、さらにアッパーの下半分を樹脂で覆った念のいれよう。
メッシュが露出している箇所もありますし完全防水ではないものの、パンツの裾を被せれば難なく雨を防げそうです。
(まだ雨の日に外出しておらず)
天候を気にせずいつでも履けるのは気楽でいいですね。

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ヒールにある軍用のミリタリースペックのような表記にデザインテーマが感じられます。

それでは肝心の歩きやすさ、歩き疲れはいかに!?
まぁ初ゲルカヤノ14なのにファッション系を選んだ時点で評価もなにもないかもしれませんが……半日外を歩き回ってもまったく問題なし!
荷物が重く、ときには道路に寝転ぶアクティブな撮影仕事のときでも履いてしまうほどのお気に入り。
樹脂で覆われてても蒸れも感じません。
撮影の日は「足の疲れのなさと安定性重視。傷だらけにもなるし」ということで、見栄えを度外視して軍用トレーニングシューズやアウトドアシューズを履くことが多かったのですが、お洒落なモード系の足元になりました。

ガワにある種の固さがあり、足をしっかりホールドするつくりなのがこのシューズの構造。
足に力がかかる仕事にちょうどよくて。
わたしはスリッポンのように紐を結び直さず履きたくて大きめを選びましたが、なるべくジャストにして紐をきゅっと結ぶとよりパフォーマンスを発揮すると感じています。
(アシックスのほかのモデルにもいえること)

単に飛ぶような歩きやすさ、履いていることを忘れる快適さなら別の選択肢もあるかもしれません。
例えばレトロなニューバランスは足をソファーのように柔らかく包み込み、長時間の歩行も負担なく過ごせます。
シューズの快適さの判断は人によりかなり異なるようなので一概には言えませんが、ひとつのご参考までに。

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取り外しできる透け素材のカバーはなんとファスナーつきポーチになってます。
「春になったら色鮮やかな植物のポプリでも詰め込んでみようかな」と考えてみたり。
ストリート系ブランドのデザインですから、小銭を入れたりラフな使い方が想定されているのでしょう。

このモデル、「ASICS GEL-KAYANO 14 × SBTG × Limited Edt」はアシックス公式サイトでは全サイズ完売。
ネット上では在庫僅少なサイズをちらほら見かけますので、気になる方は探してみてくださいー。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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