「可愛すぎる…」ドライブスルーでドーナツを注文する牛が人気沸騰「馬として育てられた」

  • 文:山川真智子
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Parilov-Shutterstock ※画像はイメージです

カナダのアルバータ州には、馬用の鞍をつけ、飼い主を乗せて町を闊歩する牛がいる。馬さながらにジャンプや駆け足をし、飼い主のあとを犬のように追いかける姿は、牛であることを忘れたかのようだ。今や町の人気者となり、ソーシャルメディアでもファンを増やしている。

食肉になる運命…一転、馬として調教へ

話題の牛は、アルバータ州中部のシルバン・レイクの町に住むマグナム君だ。白黒模様のホルスタインだが、茶色の馬用の鞍をつけて、飼い主のケリー・ランドリーさんを乗せて町の至るところに顔を出している。

カナダの公共放送局CBCによれば、ケリーさんは8年前に、当時住んでいたケベック州で子牛のマグナム君を購入。最初は、大きく育てて食用にするつもりだったという。

しかし、マグナム君を農場に連れ帰った後、ケリーさんは彼の非常にかわいい性格を知ることになる。マグナム君は自分の名前を覚え、呼ばれるとジャンプして反応し、どこへでもついてくるようになった。納屋の周りを走り回ってはケリーさんを探し、見つけると「モー」と声を上げたという。

そこでケリーさんは、マグナム君を馬の仲間として飼うことを決断。きっと馬と同じぐらい、いやそれ以上のことができるのではないかと思い、馬として調教をすることにしたという。

好物はドーナツ! ドライブスルーで注文も

もっとも調教は順調にはいかず、ケリーさんが初めて背中に乗ろうとしたときは、マグナム君はいやがって振り落とそうとしたらしい。しかししばらくすると、馬具をつけ、手綱を握ってマグナム君に乗ることがケリーさんの日課となった。

固い絆で結ばれた2人は、昨年春にケベック州からシルバン・レイクに転居。角の生えたホルスタインが、飼い主を乗せて町を歩き回る姿は各所で目撃され、今や町の人気者になっているという。

先日は、大好物のドーナツを買うために、マグナム君は自動車に交じって地元のドライブスルーを利用。上に乗るケリーさん撮影のビデオには、メニュー画面に小走りで近づき、鼻先で注文ボタンをそっと叩く、器用なマグナム君が収められている。映像には、マグナム君がドーナツの箱を受け取るため窓口まで歩いていく様子と、それを撮影しようとスマホを持って待ち構える店員の姿も写っていた。

実はマグナム君は何年も前から、SNSでたくさんのフォロワーを集める有名人でもあり、ケベックではお祭りやパレードの常連だったという。フォロワーの間では、マグナム・ザ・ブフ(フランス語で牛肉の意味)として知られているそうだ。

内面は馬か犬? あくまでもマイペース

甘いものが大好きなせいか、マグナム君の体重は最近増加し、現在2500ポンド(約1134キロ)を超えているという。大きな身体にも関わらず、ある程度のスピードが出るというが、速足になるのは家が近いと分かっているときだけで、あくまで頑張り過ぎることはしないそうだ。

ケリーさんは、マグナム君は頑固な問題児で牛であることを自覚しておらず、精神的には馬、性格は犬だと説明。奇妙な相棒ではあるが、彼が一般の人々から愛されているのを見るのが好きだと述べ、シルバン・レイクでも様々なイベントに参加できることを願っているという。

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@kellylandry1996

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ドライブスルーでのマグナム君。

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気分は馬。ケリーさんを乗せたマグナム君。

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@kellylandry1996

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 甘いものが大好きなマグナム君。馬とも仲良し。

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CBCが紹介したマグナム君のビデオ