「世界でいちばん細野さんの曲を歌っている」と自負する矢野顕子が語った、ベーシスト・細野晴臣との創作秘話

  • 文:加藤一陽
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矢野顕子●1976年「JAPANESE GIRL」でソロデビュー以来、YMOとの共演など活動は多岐に渡る。2024年6月には、NY・Joe‘s Pubにてウィル・リー、クリス・パーカーとのトリオ編成でのライブ「AKIKO YANO TRIO」公演、8月には大阪・東京にて凱旋公演を開催。12月には恒例の「矢野顕子さとがえるコンサート」が大阪、茨城、山形、愛知、東京の5都市で開催。また、12月6日には矢野顕子・上原ひろみライヴ・アルバム第3弾『Step Into Paradise -LIVE IN TOKYO-』が発売された。

J-WAVE「STEP ONE」の特別企画「Pen TALK ABOUT HARUOMI HOSONO」。Pen1月号の特集「細野晴臣と仲間たち」と連動し、さまざまなミュージシャン・クリエイターが細野晴臣の楽曲やクリエイションの姿勢について語る企画だ。ゲストとして登場したのは、YMOや細野のソロ活動での共演を数多く手掛けてきた矢野顕子。初めて聴いたはっぴいえんどの楽曲をきっかけに抱いた憧れ、共に演奏した日の思い出を語った。



「細野さんの音楽を初めて聴いたのは、はっぴいえんどの曲だったと思います。ライブを観たことはありませんでしたが、とても好きなバンドでした。私の高校の先輩である林立夫さんや後藤次利さんなどが、はっぴいえんどを中心とした“風都市”という集団に寄っていくのを見て、『私もあの中に入れたらいいな』くらいに思っていて。それが16、17歳くらいの頃だったと思います」


「それから私のソロアルバムを制作するという話になり、デモテープをつくる時に細野さんがベーシストとして来てくださり、初めてお会いしたんです。すぐに一緒に演奏しました。結局そのアルバムは別のプロジェクトになりましたが、その時の演奏は、『JAPANESE GIRL』や『いろはにこんぺいとう』など私のアルバムの中の数曲で使われています」



「私にとって細野さんは、“ベースを弾く人”としての結び付きが一番強いと思います。本当に素晴らしいプレイを一緒につくることができた幸せ……というのと、私は、自分で作詞作曲の能力がすごくあるわけじゃないと思っていたんですね。それよりも、好きな歌を歌いたいというのが基本でしたから。だから勢い、細野さんの曲を歌うことが多くなり……デビューからかなり長い間、私は“世界で一番細野晴臣の曲を歌っている矢野顕子”と自負しておりました(笑)」

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ラジオ局J-WAVE(81.3FM)で毎週月〜木曜、朝9〜13時にOAする情報エンタメプログラム「STEP ONE」。ナビゲーターのサッシャとノイハウス萌菜が、働く人に役立つ情報と仕事が捗るGOOD MUSICを届ける。

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Pen 2024年1月号「細野晴臣と仲間たち」

1969年のデビューを皮切りに、はっぴいえんど、YMOなどを経て、音楽の地平を切り拓いてきた細野晴臣。2024年に活動55周年を迎えたことを記念し、多岐にわたる活動の中でも、ミュージシャンやクリエイターとの共作、共演、プロデュースといったコラボレーションに着目した特集を展開。

松本隆やヴァン・ダイク・パークスなど、長年にわたって強い絆で結ばれる盟友から、くくく(原田郁子+角銅真実)やマック・デマルコといった、細野の背中を追い、そしてともに音楽づくりに関わるようになった新たな世代まで、多彩なミュージシャンとのつながりをたどっていく。さらに、是枝裕和、大竹伸朗、ゆりやんレトリィバア、三澤遥など、指折りのクリエイターたちとの協業の姿も細野音楽の多様性を物語る。最新の音楽活動を細野自身が語る独占インタビューや、菅田将暉とのスペシャル対談、細野音楽を読み解くキーワード解説なども収録。本人、そして影響を与え合った人々によって紡がれる言葉から、音楽の巨人の足跡をたどり、常に時代を刺激するクリエイションの核心に迫る。

『STEP ONE』 特別企画「Pen TALK ABOUT HARUOMI HOSONO」

放送日時:2024年12月2日(月)~12月12日(木)の月~木曜 10時50分~11時20分頃
内容:Pen 1月号「細野晴臣と仲間たち」とコラボレーション。
毎回、スペシャルゲストが登場し、細野晴臣さんのお気に入りの1曲を紹介しながらその想いを語ります。

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