アメリカやカナダでは11月の感謝祭において、七面鳥の丸焼きがディナーの定番である。この時期、SNSではおいしそうに飾り付けられた七面鳥の画像や調理に調理のコツなどが頻繁に投稿されているのだが、その中には眉をひそめるような投稿も少なからず存在する。今年もとある女性インフルエンサーの動画が大炎上し、米NewYork Postなどでも取り上げられる騒ぎとなった。
この度大炎上したのは、トイレで七面鳥を下ごしらえしている様子を紹介した動画である。Instagramに投稿された動画には、トイレの便器に大きな七面鳥を放り込み、その中に野菜を詰め、調味料やハーブなどをふりかけている様子が収められている。下ごしらえを終えた肉は便器から取り出されてアルミ皿に移され、汚れた便器に水が流されて、オーブンで焼き上がった七面鳥を写して動画は終わる。
「細菌は140度で死滅する」とコメント
Instagramに動画をアップしたのは、米ミネソタ州在住のケイト・ハインツェルマンさん。料理に関する投稿を行っている、フォロワー数34万人のインフルエンサーだ。この騒動を取り上げた英Mail Onlineの記事によると、本人曰く、今回の動画は「感謝祭の肉と副菜を一つの大きなトレーで調理する」様子を収めたものだという。
この投稿はたちまちバズって9000件以上のいいねを集めるも、「吐き気がする」「食べ物を粗末にするな」などと批判のコメントが殺到して大炎上した。しかし投稿主は、「感謝祭のディナーを作らなければならないけれど、どうしたらいいかわからない時…細菌は140度で死滅するので心配ありません。300度で焼き上げます」と、まるでお役立ち情報を披露しているかのようなコメントをつけている。
実はこのアカウント、便器の動画の前にも、冷凍七面鳥を食洗機で解凍する動画をアップしている。「七面鳥はこうやって解凍すればいい」という投稿者のコメントと共に、七面鳥が洗い物と一緒に食洗機に入れられている動画は、当然ながら「馬鹿げている」「食中毒の原因になる」といった批判を浴びていた。
言うまでもないが、便器や食洗機を調理に使うことは食中毒の原因になりうるだけでなく、そもそも調理を前提とした器具や機械ではないので、製品そのものに有害な成分が含まれていたり、過去に使用した洗剤や薬品などが残っている可能性もある。さらに、生肉によってトイレや食洗機が汚染されてしまう危険があるとも指摘されている。
今回のような炎上狙いのSNS投稿は決して珍しいものではないが、せめて食べ物を無駄にするような行動はやめてほしいものだ。
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