「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」。この挑戦的なビジョンを掲げ、都心のビルをクリエイティブな才能が集まる磁場へと変貌させてきたリアルゲイト。100棟以上のクリエイティブオフィスを企画・運営してきた同社が、12月5日(木)に表参道「LOCUL(ローカル)」においてこれまで大切にしてきたことを改めて伝えるコミュニケーションパーティーを開催した。新スローガン「FIRST ENGINE」の下におよそ200名以上のクリエイターや協賛パートナーたちが集まった。従来の空間づくりの枠を超え、人々の創造性を解き放つ"生きた空間"とは。その答えを求めて繰り広げられた熱いイベントの様子をレポートする。
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会場となったのは、東急プラザ表参道"オモカド"5Fにオープンした「LOCUL」だ。サブスクメンバーシップ型のコミュニティ型商店街であるここでは、開場直後から多くの来場者で賑わいを見せた。まず注目を集めたのは、第一部のトークセッションだ。リアルゲイト代表取締役の岩本裕、LINE-INC.代表の勝田隆夫、HUESPACE INC.創業者の須藤仁による鼎談では、従来の不動産業界の常識を覆す斬新な空間づくりについて、熱のこもった議論が展開された。
たとえば、「心を動かす空間の条件とは?」という問いに対し須藤は、「建物もアートもそうだと思いますが、自由に遊べるような、スキマのあるデザインが人を惹きつけるのだと思う」と、余白の大切さを語った。また、勝田はリアルゲイトへ「前例のないことにも、まずはやってみよう」という瞬発力を発揮できる会社として、その姿勢を持続してほしいと今後への期待も伝えていた。
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「不動産という"箱"に留まらない、人々の創造性を解放する場を提供したい」と語る岩本。その言葉通り、会場ではさまざまなジャンルのクリエイターによる展示販売が行われ、まさに"生きた空間"を体現していた。特に、フラワーアーティストの梅澤秀による圧巻なライブパフォーマンスは、会場の雰囲気を一変させた。「FIRST ENGINE」をテーマに、イベントの進行に合わせて花やオブジェが次々と組み上げられ、その演出は観客の視線を奪うほどダイナミックだった。
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第二部のセッションでは、リアルゲイト専務取締役の渡邊学を中心に、CINEMA CARAVAN代表の志津野雷、DDAA/DDAA LAB代表の元木大輔が、具体的な事例を交えながら示唆に富む対話が繰り広げられた。「目的なく過ごせるおおらかな場所が良いなと最近感じますね。それぞれが自由に楽しみながらも、全体としてまとまりを感じられる空間が、街にいい空気をもたらすのでは」という元木の言葉からは、デジタル時代における実空間の可能性についての学びを得た。
また、志津野は「相手のこと尊重した上で、干渉しすぎずにいい関係を作る姿勢が大事」と語り、渡邊は「すでにそこにある空気を崩さずにどう活性化していくかを考え、お互いに感謝し合うwin-winの関係を構築することが重要」だと話し、空間創りとコミュニケーションの重要性についてそれぞれ想いを語った。
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会場の一角に設けられたCREATOR'S MARKETでは、イラストレーターの及川真雪やMYTONE(& Supply)など、第一線で活躍するクリエイターたちが個性豊かな作品を展開。イベントに合わせて創刊されたタブロイド紙「REALGATE PAPER」も見逃せないコンテンツのひとつだ。リアルゲイトが築き上げてきた独自の文化や世界観が凝縮されているこの一冊は、豊かな内容だけでなく、デザインやビジュアル面にもこだわった。
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「FIRST ENGINE」という新スローガンには、リスクを恐れずファーストペンギンとして挑戦し続けるという同社の決意が込められている。本イベントは、その具現化の第一歩として、不動産とクリエイティビティの新たな可能性を示すものとなった。かつては単なる「箱」でしかなかったビルという存在が、人々の創造性によって生き生きと息づく場所へと変わっていく——。そんな未来図を、リアルゲイトは着実に現実のものとしていきそうだ。