デビュー55周年を迎えた細野晴臣と、同じく開業55周年を迎えたパルコ。この象徴的な巡り合わせを祝う特別なホリデーキャンペーンが、華やかに幕を開けた。このコラボレーションを象徴するのが、今年88歳で他界した美術家・田名網敬一の遺作となる広告ビジュアルだ。クリエイティブディレクターを務めるのは、その愛弟子である宇川直宏。おもちゃ箱をひっくり返したようなそのビジュアルに呼応するように、全国のパルコでさまざまな企画が繰り広げられる。
キャンペーンの目玉として、期間中に細野がセレクトしたホリデーソングのプレイリストをSpotifyで配信。同楽曲は全国のパルコの館内BGMとしても放送される。そして、税込4,000円以上の買い物をした人に、先着でキャンペーンビジュアルを施したオリジナルキャンディ入りギフトボックスをプレゼントするのも魅力的だ。さらに、パルコ公式SNSのフォロー&投稿へのいいね、コメント、リポストで、抽選で10名にキャンペーンポスターが当たるプレゼント企画も実施される。各企画の詳細や期間は、記事末にある特設サイトでチェックを。
渋谷パルコでは、3階のポップアップスペースに「55th HOSONO HARUOMI POP-UP SHOP」が登場。本誌最新号でも特集している細野の世界観を体現するかのように、五木田智央による「HOSONO HOUSE COVERS」カバーアート作品を用いたアパレル商品や、カクバリズムとスタイリスト伊賀大介がプロデュースした「HOSONO VIDEO HOUSE」をイメージしたグッズが並ぶ。
また、同じく渋谷パルコのB1Fにあるミュージックカフェ&バー「クアトロラボ」では、細野の好みを反映したサンドイッチ、ホットドッグ、ダブルカプチーノなど、人気メニューをアレンジした特別バージョンを味わうことができる。細野サウンドに耳を傾けながら、その好みを反映したメニューを口にする──そんな贅沢な時間の過ごし方も、このホリデーシーズンならではの醍醐味だろう。
宇川は本プロジェクトについて、「高度経済成長以降の日本のポップ・アヴァンギャルド文化を牽引し続けるパルコのヒストリーが、この曼荼羅に流れる55年の時間と呼応し文化的真言が立ち現れる」とコメント。細野も「パルコ創業とぼくの音楽歴は同じ55年という奇遇です。『幸せな休日』という祈りを込めて音楽をつくりました」とメッセージを寄せている。
パルコと細野、両者の奇跡的な出会いは、田名網の遺作となったビジュアルと選曲という形で結実した。そこには、ハイカラでありながらサイケデリックな響きを持ち、どこか憂愁を帯びた不思議な魅力を放つ細野の世界観と、パルコが築き上げてきた独自のカルチャーが重なり合う。55年の音楽遍歴が紡ぎ出す音の世界に包まれながら、この冬の贈り物を心ゆくまで楽しみたい。