プロのクリーニング業者の男性が、ロンドンの地下鉄の座席を洗浄してみた結果をソーシャルメディアで公開し、話題になっている。男性が投稿した映像には、座席を洗った後に出た真っ黒な汚水が映っており、あまりの汚さに、多くの人々が衝撃を受けている。
バケツに溜まる真っ黒な水… 汚れは最悪レベル
話題の映像の撮影者は、「ミスター・カーペット・クリーン」の名で清掃業を営む、スティーブン・ジェームスさんだ。ロンドン地下鉄のノーザンラインの椅子を自主的にパワー洗浄し、汚れで真っ黒になった水がバケツに注がれていく映像をインスタグラムで公開した。
メトロ紙によれば、ジェームスさんは「日々清掃を行っているプロの目からは、今回の地下鉄の座席の汚れは間違いなく最悪の部類に入るものだ」と主張。抽出された汚れは“膨大”で、深刻な長期的問題だと語っている。
「清掃はされている」 当局が反論!
しかしジェームスさんの映像が拡散すると、ロンドン交通局(TfL)は反論。地下鉄車両に関しては、運行前の清掃が毎日、車両内部と外部の徹底清掃が約28日ごとにスケジュールされていると主張した。座席の場合は、運行前の清掃の一環として毎日点検され、必要に応じて清掃されており、徹底清掃の際にもしっかり手入れされていると説明している。
さらに、地下鉄ホームで汚れた水をバケツに注ぐことは、乗客の健康を害するものだとTfLは述べ、ジェームスさんの行為を非難したという。
ロンドン地下鉄の座席が月に1度徹底清掃されていることに驚くかというBBCの問いかけに対し、ジェームスさんは、「バケツが答えを教えてくれている」と答えている。
清掃体制に一石を投じた? ネットの反応は「うんざり」
さまざまな清掃現場の映像投稿をするジェームスさんのインスタグラムには、かなりのフォロワーがおり、汚れたバケツや掃除した結果を見るのを楽しみにしている人が多いという。地下鉄座席の洗浄も、そういった人々のためでもあった。パワー洗浄をする場所として、バス、映画館、劇場、病院なども候補だったというが、人の出入りが多いという点では、地下鉄が一番だと考えたそうだ。
もっともジェームスさんは、今回のようなことは今後2度とやらないとし、他の業者に対して自分の真似をしないようにと忠告した。他の組織や企業の清掃体制についての判断は自分の仕事ではないとし、元の動画も削除したという。
真っ黒な水の映像を見たソーシャルメディアのユーザーからは、「定期的に掃除してるって絶対嘘だな」「座席はプラスチックや金属にすべきだ」「だから地下鉄には乗りたくない」などの厳しい意見が出ていた。
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ジェームスさんが行った地下鉄座席の清掃映像。黄色いバケツが真っ黒な水でいっぱいに。)
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@bbcnews Steven James, who made the video, claimed "excessive” dirt was found while cleaning four seats on the Underground. #London #Tube #Underground #UK #TransportForLondon #TFL #BBCNews ♬ original sound - BBC News
同じ動画のBBCバージョン。
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@TfL Just took the underground and the seats were disgustingly dirty and oily - not to mention the unpleasant smell. Cleanliness should be a priority for public transportation! #dirtyseats #unhygienic #underground #publictransport #cleanliness @MayorofLondon pic.twitter.com/ZpLPgrWOpV
— Jay 🔱 (@jpjaydeep20) April 23, 2023
ネット上に投稿されたロンドンの地下鉄の座席の画像。汚れがひどい。
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別の清掃現場のカーペットから出た汚水。地下鉄よりは色が薄い?