街に映える最新+最強の防寒アウターを探せ!デサント、ゴールドウイン、ミズノの最前線【着る/知る Vol.186】

  • 写真・文:一史
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極寒にも耐えられる防寒アウターは、男ゴコロをくすぐる最高のファッションギア。近年の暖冬傾向を逆手に取り、インナーを軽やかなTシャツ1枚にすることさえできてしまう。電車の車内のように暖かな屋内と、寒い屋外との気温差を埋めるのにも便利な服だ。一着あると日常生活に深い安心感をもたらしてくれる。
そこで今回は高機能ウェアの開発に熱心なデサント(デサント オルテライン)、ゴールドウイン、ミズノの最新アイテムをリサーチ。日常的に着やすいファッション性にも優れた厳選ラインナップをお届けしよう。

超ハイスペックな「水沢ダウン」の現在/デサント オルテライン

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水沢ダウンの2024年新作「ゴアテックス ローダー」。¥176,000/デサント オルテライン

ギア好きが信頼を寄せるダウンジャケット「水沢ダウン」。デサントのハイテクな水沢工場で製造される、ハイスペックなダウンウェアシリーズだ。誕生のきっかけはスキー選手のオリンピック用ユニフォーム。水濡れに弱かったダウンウェアに防水性を持たせ、デザインもスタイリッシュにしてファッションシーンでもオンリーワンの人気シリーズになった。
進化し続ける水沢ダウンから今季リリースされた最新モデルがこの「ゴアテックス ローダー」。熱圧着の製造技術による防水性の高さに加え、軽量なゴアテックスのメンブレンを採用した最強の一着。中に詰まった羽毛はヨーロッパの規格である「DOWNPASS」認証を得たもので、トレーサビリティが可能。現在あるべき衣料品の基準に基づくダウンジャケットに仕上がっている。

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裏にひっくり返した様子。ポケット、取り外しパーツ、ベンチレーションなど機能がてんこ盛り。

これまでの水沢ダウンと比べて内ポケットが多く、フードやスノーカフ(雪や冷気を防ぐ裾のパーツ)が取り外しでき利便性もさらにアップ。アウトドアからタウンまで、これ一着あれば全方向に対応してくれる。

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大きめサイズを着用した姿。サイズアップしてもフィット感は良好だ。フードが着脱でき、着るシーンに合わせて服の役割を変えられる。

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水沢ダウン「バーテックス2」。¥198,000/デサント オルテライン
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今年の改良点のひとつがヒートナビの裏地。プリーツ加工をして生地の面積を増やし保温性をアップ。

続く水沢ダウンのジャケットは、2023年の最上位モデルであり1,000フィルパワーのダウンを搭載した「バーテックス」の改良版「バーテックス2」。従来モデルより10%軽量化された。さらにユニークなのが光を熱へと変換する裏地の「ヒートナビ」。背中部分がプリーツ加工されたことで生地の面積が増え、さらなる保温性のアップへとつながった。シンプルなルックスからは想像もつかないほど究極の防寒アウターである。

デサント オルテライン MD担当 大田晃輝
「ここに掲載された2着ともに、ゴアテックスと1,000フィルパワーのダウンを用いたハイエンドパフォーマンスモデルです。水沢ダウンの全体傾向では23年秋冬から少しゆとりがあるシルエットに見直し、24年秋冬モデルでは内ポケットを追加。より現代に即した服へと移り変わっています」

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街の空気とリンクするダウンウェア/ゴールドウイン

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ダウン入りのコート「ゴアテックス スノー レンジ ダウン コート」。着用者はゴールドウインでPRを担当する佐藤浩貴。¥121,000/ゴールドウイン

腰を覆うゴールドウインのダウンコートは、ビジネスシーンからライフスタイルまで幅広く着られる高スペックなウェア。ゴアテックスを搭載しファスナーも止水タイプの防水性が高い一着だ。フードも内蔵しているので急な雨降りでも問題なし。普段は上の写真のようにフードを収納して立ち襟にして着るとクールな印象に。フロントがダブルファスナーだから開け閉めのバランスも思いのままだ。

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コットン見えする自然な素材感で高い防水性を備えたダウンコート。裾をドローコードで絞れてコクーン調のシルエットも楽しめる。

シルエットは全体的に直線的なIラインを描き、男女の差なく着られる。男っぽさが控えめで穏やかなのがジェンダーレスな現代らしいバランスだ。ゴールドウインはザ・ノース・フェイスやニュートラルワークス.といった時代感とリンクするブランドを多数抱えるメーカー。このセンスが自社の名を冠したこのブランドにも息づいている。スキーウェアで培った冬山のノウハウが真価を発揮した防寒アウターである。

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襟裏のスナップボタンを外せばフードが出現。立ち襟の前部分に肌当たりが優しい黒布を取り付ける気遣いが、服好きの大人に支持されるゴールドウインのセンス。

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防寒性の高さが徹底追求された「ゴアテックス ウインドストッパー ダウン パーカ」。¥121,000/ゴールドウイン

上半身に特化した防寒性能なら、こちらのジャケットのほうが上かもしれない。内部のダウンパックの障壁の一つひとつが立方体になった「3D BOX BAFFLE」を搭載。自社開発によりかさ高を増やして隙間を減らし、同じダウン量でも保温性をアップさせた。暖かさのさらなる実現のために首周りとフロントにも立体的なダウンチューブを配した念の入れようだ。

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もっとも寒さを体感しやすい背中を軸にダウンバッフル構造「3D BOX BAFFLE」を配したこだわりのつくり。

着るとそれなりのボリュームが出る。街着ならこのゆったり感を活かし、裾幅の広いルーズなパンツを組ませるとバランスがよさそうだ。細いスキニーパンツを穿くとスポーツマンに見えがちなので、それを避けたい人は全身をオーバーサイズ気味にするシルエットを意識して着こなそう。

ゴールドウイン PR担当 佐藤浩貴
「今回ご紹介いただいたコートはタウン向け、赤のジャケットは登山向けに企画されたアイテムです。いま再び流行してきたデニムとの相性もよく、機能的なファッションアイテムとしても日常でご愛用いただけるでしょう」

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ダウン超えの暖かさを実現!?/ミズノ

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ミズノが開発した最新防寒素材を中綿に使ったアウター「テックフィルブレスサーモグラウンドコート」。この色はブラック。¥24,200/ミズノ

ミズノが1993年に開発したハイテク防寒素材「ブレスサーモ」をさらに発展させ、2024年に「テックフィルブレスサーモ」をローンチ。インナーやアウターなど幾つかの商品に搭載しはじめている。素材特性は650フィルパワーのダウン90%より暖かいとされている(ミズノ調べ)。水に濡れると保温性が低くなる天然のダウンと比べ、この素材は汗の蒸気は吸湿するが水を吸いにくい特性がある。服に高度な防水性を与えなくても暖かさを保ち、家庭での洗濯もイージー。さまざまなシーンでの着用に広がるポテンシャルを持つ素材だ。

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裏地にはダウンウェアのようなステッチを入れて中綿を固定。着るとふわふわな柔らかさを感じる快適な一着。

ここにチョイスしたジャケットは、野球カテゴリーの「ミズノ プロ」に属するヴァーシティジャケット。フィールドスポーツ時はもちろん、街ではスクールテイストのトラッドな服装にもハマるだろう。一般的に身頃がウールで袖がレザーの重いヴァーシティジャケットを軽量な化繊に置き換え、さらに保温性も格段にアップ。ベーシックなファッションの現代的なアップデートにも一役買ってくれる。入手しやすい価格も嬉しい期待値の高いハイテクウェアだ。

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同型色違いのディープネイビー。ブラックもともに胸にミズノのブランドマーク、背中にMizuno Proの文字プリントがつく。

ミズノ テックフィルブレスサーモ開発担当 櫻井大樹
「スポーツウェアは汗をかいたり、雨に濡れたりすると素材の機能性が低下しやすいものです。こうした問題を解消し、お手入れしやすい製品を開発しました。スポーツ時はもちろん、通勤通学、ジムの行き帰りなどの移動時にもお薦めです。さらなる快適な着心地をご提供できるように、今後も新たな製品開発を進めていきます」

デサント オルテライン

https://allterrain.descente.com/

ゴールドウイン

www.goldwin.co.jp/goldwin/

ミズノ

https://jpn.mizuno.com/

 

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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