ニューリッチ仕様、メルセデス・マイバッハ初のEV「EQS 680 SUV」をオッペンハイム不動産のエージェントに捧げたい【東京クルマ日記〜いっそこのままクルマれたい〜】第210回

  • 写真&文:青木雄介
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専用フロントマスクとツートーンペイントにより一目でマイバッハとわかる。

メルセデス・マイバッハ初のEVとなる、「EQS 680 SUV」に乗った。先行して販売している「EQS 580 SUV」をベースに3列仕様を2列仕様にして後部座席にリクライニングスペースをつくったマイバッハ仕様。ロゴパターンが「これでもか」とちりばめられているし、マルチカラーのアンビエントライトがペダルワークに反応してリレーするし、巨大なハイパースクリーンに映し出されるインフォメーションは星のように瞬いている。

あえて言うなら、ロサンゼルスのウエスト・ハリウッド周辺に住むニューリッチにうってつけの高級 EVですよ。わかりやすいのがNetflixの人気リアリティ番組『セリング・サンセット〜ハリウッド、夢の豪華物件』で、パンチの効いたハイファッションでキメつつ、3千万ドル(約45億円)級の超豪華物件を扱う、オッペンハイム不動産のエージェントたちにこそふさわしい(笑)

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マイバッハ専用のウッドステアリング、ペダルを採用したラグジュアリーな内装。

まず運転した印象は、マイバッハらしいトトロが深呼吸するような壮大な加速感と、ステアリングから路面状況を伝えてくる繊細さが同居したハイエンドなもの。それでいてボディや足まわりは堅牢でステアリングは正確。車重は3トン超えなのにもったいぶったところがない。威厳はあるけどきびきび走り、日常の足として積極的に使いたいマイバッハなんだな。

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ハイパースクリーンはナイトシーンの演出も凝っている。

そんな、自らハンドルを握りたいタイプのマイバッハという特徴に加えて、後部座席がきわめて開放的な感覚でリラックスできる。定番の仕様であるリラクゼーション機能付きのリクライニングシートにシャンパンクーラー(オプション)が付いてくるわけだけど、窓が低くて座高が一段高いことにより、イルミネーティブな車内を後ろから一望できる上に、広大なパノラマサンルーフの眺望が太陽を浴びるように眺められる。うん。高層建築にヤシの木がおあつらえ向きですよ(笑)

車内の密閉性の高さが静音性を高め、音響もウーファーを効かせた最新システムが搭載されている。15個のスピーカーで構成されたブルメスターのオーディオシステムは、エキサイターと呼ばれるサブウーファーがシートに2つも埋め込まれていて、バキバキのクラブ仕様になる。

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後席は専用シャンパングラスを収納できるウッドトリムを用いたセンターコンソールが選べる。

ストリーミング音源をドルビーアトモスによるサラウンド処理を施し、立体的にしてクリアに再現。オッペンハイム不動産のエージェントならパーティ・アンセムをかけてスニーカーからスティレットヒールに履き替え「ハイ、ゴージャス。ビッグディールを決めちゃおう」ってなもんですよ(笑)

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リアランプの内部は曲線的な螺旋構造で立体的に見える。

マイバッハはEVモデルをきっかけに、若いエグゼグティブ向けにアピールしてきた。クルマ選びにおいては金閣寺の豪奢さより、銀閣寺の渋みを選びがちな日本人が、この底抜けに陽性のゴージャスEVを受け入れられるかは未知数なところ。

それでも最近、都内で2トーンカラーをまとった、SUV型のマイバッハGLS の姿を目にする機会が、とても増えているのね。それも、世田谷の駒沢公園の駐車場とかで。「マイバッハ、きてるな」と思いつつ、「このEVも増えたらいいな」とひそかに期待しているんだな。

メルセデス マイバッハ EQS 680 SUV

全長×全幅×全高:5,135×2,035×1,725㎜
パワートレイン:交流同期電動機2基
最高出力:658PS
最大トルク:955Nm
駆動方式:4WD
航続距離:640㎞(WLTCモード)
車両価格:¥27,900,000
問い合わせ先/メルセデスコール
TEL:0120-190-610
www.mercedes-benz.co.jp

※この記事はPen 2024年12月号より再編集した記事です。