アンティークの美学を次世代へ引き継ぐショップ、「ジェオグラフィカ」が南青山の骨董通りに誕生!

  • 写真:溝口 拓
  • 文:Pen編集部
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ジェオグラフィカ

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イギリスにある老舗をイメージしてデザインされた「ジェオグラフィカ」の店舗。光沢感のある外壁をはじめ、イタリアから取り寄せた照明やイギリス産のヴィクトリア様式の取手など、クラシックな印象を受ける。

高感度なインテリアショップが立ち並ぶ街、南青山の骨董通りに、アンティークショップ「ジェオグラフィカ」が9月に誕生した。黒と真鍮をメインとしたクラシックな佇まいは、通り過ぎる誰もが見惚れてしまうほど美しい。ショーウインドーから溢れる、そのエレガントな世界観には思わず息をのむ。アンティークのロマンやギミックだけでなく、実用性にこだわりを持つ「ジェオグラフィカ」の魅力とは。

イギリス生まれの意匠と美学

家具や雑貨など、「ジェオグラフィカ」で取り扱うアンティークは、イギリスにルーツを持つのが特徴だ。日本と同じ島国として、ヨーロッパの中でも特に日本と住環境が近いことから、心地よく使えるサイズ感のものが多い。1800年代後半~1930年代を中心に厳選されたアイテムたちは、時代背景からデザイン様式まで、当時だからこそつくられたさまざまな美学が詰まっている。どれも職人の卓越した技術が感じられ、それぞれに物語があるかのように、時代に思いを馳せられる逸品ばかりだ。

ショップの公式サイトには「アンティーク用語集」や「アンティーク年表」をはじめとしたコラム知識が充実しており、知れば知るほどその奥深さや趣に魅了されるだろう。

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同店では毎週新入荷があり、また1カ月ごとに大幅なディスプレイ変えを行っているため、飽きることなく、いつ訪れても新しい発見と刺激を楽しめる。リクエスト買い付けや特注家具の製作を行うなど、幅広いアプローチをしている。

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熟練の職人が修復することで、次なる世代へ

デザインの美しさ、希少性、素材の良さに加え、「ジェオグラフィカ」は日常で実際に使えることを大切にセレクトしている。買い付けたアイテムは、すべて職人の手によって入念な修復を経ているのが同店の強みだ。木工、塗装から生地の張替えまで、一点ずつ細かい部分まで修復を行うことで、ハイクオリティと耐久性を実現。その強みを活かして、東京都庭園美術館や国指定重要文化財・旧岩崎邸洋館の収蔵家具修復を手掛け、文化の存続にも大きく貢献している。また、アフターケアまで整っているのも、嬉しいポイントのひとつだ。そこには、「ジェオグラフィカ」のアンティークに対する情熱が根付き、次の世代へ引き継ごうとする志が感じられる。

どんな時代に、どんな職人によってつくられ、どんな人が使っていただろうか。そんなアンティークの世界観と豊かさを堪能できる、「ジェオグラフィカ」にぜひ一度訪れてみてほしい。

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職人がアンティークのマントルピースを活かし、壁に飾り棚を作り直したもの。オリジナルを活かしつつ、クリエイションを加えているのがユニークだ。
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取り扱っているほとんどの家具がブラウンなので、淡いクリーム色の壁や明るめの床などで、より家具の艶やかさや上質さが映えるように内装を仕上げた。

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手に取りやすい価格帯のものから、アンティーク好きにはたまらない希少な代物まで、あらゆる人に本格的なアンティークを楽しんでもらえるようなラインアップを揃えている。

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家具に限らず、ヴィンテージのアクセサリー、とっておきのテーブルランプ、食卓を彩るカトラリーなど、約430点もの唯一無二なアンティークを堪能できる。長い時を経たアンティークだからこそ感じられる味わいと情趣だ。
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1890年代ヴィクトリアンの「ダヴェンポートデスク」。船でも使えるようにとコンパクトにつくられ、傾けられる天板など面白みのあるギミックで実用的。ウォールナットの材質のきれいな木目を活かすように、フレンチポリッシュで仕上げている。

ジェオグラフィカ

東京都港区南青山6-7-3 桜木ビル1F
https://geographica.jp