2014年2月に発表、一瞬にして口ずさんでしまう強烈なフックに多くの人々が反応、ダンス動画も登場し、さらに拡散。日本語のリリックでありながら、今や世界に「友達」の輪を広げている千葉雄喜による楽曲「チーム友達」。先日は、現在俳優や映画プロデューサーとして知られるウィル・スミスが「Team Tomodachi(Will Smith Remix)」をリリース。「このコラボはすごすぎる」など、反響が世界に轟き、また新たなムーブメントを起こしそうな勢いだ。
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ヒップホップの名のもとに、つながる喜びを表現
「チーム友達」という楽曲は、これまで宇多田ヒカルやマライア・キャリーなどそうそうたるミュージシャンとコラボレートし、実力が世界的に認められてきたラッパーのKOHHが、21年に活動休止、千葉雄喜として活動を再開し、その第一弾として発表されたものだ。
「チーム友達」と連呼するフレーズからスタート、シンプルなリリックでありながらも、誰かとつながりあうことの喜び、またヒップホップという名(もしくは何か共通的な概念)のもとに集った人々とは、どんなバックグラウンドを持っていようともかけがえのない「仲間」であることを伝えている。そのピュアな結束力を感じさせるドープかつキャッチーな楽曲はリリース直後からSNSで投稿され、TikTokではこの楽曲をモチーフにしたダンス動画やミームにより人気がさらに加速した。
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2億5000万回再生され、ミーガンともコラボ
リリースから3ヶ月で再生数が2億5000万回超え。また、リミックスも多数発表され、SKY-HI、キングギドラなどの日本のミュージシャンなどが参加し、楽曲の人気は広がりをみせていき、海外にも波及。クリス・ブラウンや、バン・B、ミーガン・ザ・スタリオンなども好反応を示し、バン・Bはリミックスを発表。ミーガンは6月に千葉をフィーチャーした楽曲「Mamushi (feat. Yuki Chiba)」をリリースするなど、千葉を世界的にさらに飛躍する大きな転機を与えた。
地元の(もしくは古くから馴染みのある)友人たちとの何気ない日常のなかから生まれる特別なヴァイブスを表現している楽曲「チーム友達」。その輪はすでに世界を超えて影響力を広げている状況で、ついに現代のショウビズを代表する存在であるウィル・スミスがこの楽曲に反応。11月に「Taem Tomodachi(Will Smith Remix)」を公開したのだった。
ウィル・スミスといえば、96年公開の『インデペンデンス・デイ』、97年の『メン・イン・ブラック』を筆頭に、『アリ』(01年)、『幸せのちから』(06年)、第94回アカデミー賞主演男優賞を獲得した『ドリームプラン』(21年)など、数多くのヒット映画に出演、ハリウッドを代表する俳優/映画プロデューサーというイメージが強い人も多いだろう。だが、彼のキャリアはミュージシャンからスタートしている。86年、DJ JAZZY JEFF&FRESH PRINCEのラッパー<フレッシュ・プリンス>として楽曲を発表。91年に発表された「SUMMERTIME」、93年の「BOOM! SHAKE THE ROOM」など数多くのヒット曲を量産し、ヒットチャートを席巻。当時アンダーグラウンドな存在だったヒップホップの認知度、人気を高め、メインストリームへと押し上げた功労者になった。
ウィル・スミス、20年振りのマイク・パフォーマンス
97年からはウィル・スミス名義に変更し楽曲を発表、2年連続でグラミーを獲得するなど、その人気を揺るがないものにしてきたが、05年発表のアルバム『Lost And Found』をもって、音楽活動から遠ざかっていく。そして20年近い時を経て、活動を本格的に再開。24年6月に「You Can Make It (feat. Fridayy, Sunday Service)」をリリースし、米ビルボードのTop Gospel Songs チャートで初登場第3位にランクイン。それに続き、10月末に自身のソーシャル・メディアで「My turn. 私の番 Team Tomodachi (Will Smith Remix) coming 11.1 チーム友達(Will Smith Remix)プレミア 11.1」と投稿、今回の「Team Tomodachi(Will Smith Remix)」を発表したのだった。
ウィルのパートでは、俳優とミュージシャンの二刀流で活躍する現在をアメリカで大活躍する野球選手の名前をメタファーとして表現、彼のように故郷を離れてしまっているが、いつでも自身の心には米フィラデルフィアへの思いがあり、そこで出会った「トモダチ=仲間」との絆が深いことを綴っている。約20年ぶりのマイク・パフォーマンスであるが、当時を席巻した圧倒的なスキルと、流麗なフローはそのまま。というか、俳優業で培われたストーリーテリング力が加わり、より深みや厚みのあるものになっている。と同時に、チーム友達、ミュージシャン/ラッパーとしてのウィル・スミス、それぞれが今後さらに新たな展開をみせていく。そんな期待を膨らませる楽曲になった。
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