東京での会期がスタート! 大人気の『ポケモン×工芸展』の見どころとは?

  • 文&写真:はろるど
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国立工芸館(石川県金沢市)を皮切りに、アメリカや日本各地を巡回中の『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―』。いよいよ11月1日から、東京会場として麻布台ヒルズ ギャラリーにて開催されている。初公開となる新作も加わって、よりパワーアップした展覧会の見どころとは?

現代日本の工芸を代表する20名のアーティストがポケモンとコラボ!

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吉田泰一郎《ミュウツー》(2024年)彫金や七宝の技術によって作られたミュウツー。よく見るとパーツのひとつひとつがポケモンのシルエットになっている。

まずは『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―』の概要について紹介したい。同展は人間国宝から若い世代まで、現代日本の工芸を代表する20名のアーティストがポケモンをテーマに、さまざまな技法や素材による工芸の作品を公開したもの。陶芸、漆芸、木工、金工、染織などにて、ポケモンのすがたやしぐさ、気配を呼び起こした作品や、進化や交換、わざといったゲームの記憶をたどる作品、また器や着物などにポケモンを取り入れた作品を展示している。今まで見たことのないポケモンや、かつて目にしたことのない工芸作品が並んだ、ポケモンと工芸が異色のコラボを果たした展覧会といえる。

巧みなわざで、ポケモンのすがたかたちをリアルに表現

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左から今井完眞《フシギバナ》、《キングラー》(ともに2022年)。「モチーフが持っている“らしさ”を表現する」のが主眼とする今井。陶土を用いて手びねりで成形したのち、削りの作業を経て、さらに土をつけ加えて作品を作り上げている。

思わず「ポケモンが目の前に現れた!」と驚いてしまうのが、ポケモンのフォルムはもちろん、皮膚や毛並み、気配や出現の瞬間までを見事に捉えた作品だ。金属彫刻を手がけ、主に銅を扱う吉田泰一郎は、イーブイと進化形の3匹を造形化。純銅のイーブイと青銅のシャワーズ、金銀メッキを施したサンダースなどをはじめ、東京会場での新作として全長約2メートルにも及ぶ迫力あるミュウツーを展示している。一方で陶芸家の今井完眞は、フシギバナやコイキングなどをリアルに表現。とりわけフシギバナの肉感的な口元や、凹凸のある皮膚の細密な作り込みに目を奪われる。いずれも重厚な工芸作品でありながら、生気がみなぎり、今にも動き出しそうなほど迫力満点だ。

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