〈ホームプロジェクター〉
XGIMI HORIZON S Max(エクスジミー ホライズン エス マックス)
コンパクトなボディで大画面投射、しかも多機能という先端的なポータブルプロジェクターは、中国メーカーの独壇場だ。その代表がエクスジミー。旺盛なイノベーションマインドで注目製品を続出させている。「ホライズン エス マックス」はハイエンドを標榜する同社の最新モデル。本機は画質的なまとまりのよさという点で、従来製品とは一線を画す。
業界トップクラスの3100ISOルーメンの高輝度は、LEDやレーザー光源のメリットを組み合わせた「デュアルライト2.0テクノロジー」の成果。LEDは高輝度確保が難しく、レーザーはノイズが発生する。そこで赤緑青のLEDとレーザー光源のコンビにて高輝度、広色域、ノイズの少なさを同時実現。これまではLED+「1レーザー」だったが、LED+「3レーザー」に進化し、色再現が格段に改良された。
トータルな画質もよくなった。これまでははっきり、くっきり、尖鋭な強い画調で見る者をノックアウトしていたが、さすがにハイエンドを掲げる本機では、鮮明さに加えて、適度なバランス感も備わった。ただしデフォルト設定では明かるすぎるので、輝度を少し下げるといい感じになる。画質調整機能での操作性はいまひとつなので、要改善だろう。
便利機能も充実。スクリーンや壁面に向け測定光を発射し、最適な焦点調整、台形補正をする「自動台形補正」、目の安全のためにプロジェクターのレンズ部をのぞくと光量を落とす「目の保護機能」、白壁でなくとも正しい色を再現する「壁色適応機能」など、スマートな自動調整が多数。内蔵スピーカーの音もなかなか好適。手軽に大画面を楽しみたい向きにお薦めできる、ハイクオリティなプロジェクターだ。
麻倉怜士
デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。問い合わせ先/XGIMI サポートセンター
mail:Support@xgimi.jp
※この記事はPen 2024年12月号より再編集した記事です。