LED+レーザーで実現した、最高峰のホームシアター【麻倉怜士が選ぶ今月の家電】

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    〈ホームプロジェクター〉
    XGIMI HORIZON S Max(エクスジミー ホライズン エス マックス)

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    「Dolby Vision」認証を受けた鮮やかな映像に加えて、IMAX体験が可能な「IMAX Enhanced」認証も取得。IMAXのアスペクト比を家庭でも楽しめる。¥329,800

    コンパクトなボディで大画面投射、しかも多機能という先端的なポータブルプロジェクターは、中国メーカーの独壇場だ。その代表がエクスジミー。旺盛なイノベーションマインドで注目製品を続出させている。「ホライズン エス マックス」はハイエンドを標榜する同社の最新モデル。本機は画質的なまとまりのよさという点で、従来製品とは一線を画す。

    業界トップクラスの3100ISOルーメンの高輝度は、LEDやレーザー光源のメリットを組み合わせた「デュアルライト2.0テクノロジー」の成果。LEDは高輝度確保が難しく、レーザーはノイズが発生する。そこで赤緑青のLEDとレーザー光源のコンビにて高輝度、広色域、ノイズの少なさを同時実現。これまではLED+「1レーザー」だったが、LED+「3レーザー」に進化し、色再現が格段に改良された。

    トータルな画質もよくなった。これまでははっきり、くっきり、尖鋭な強い画調で見る者をノックアウトしていたが、さすがにハイエンドを掲げる本機では、鮮明さに加えて、適度なバランス感も備わった。ただしデフォルト設定では明かるすぎるので、輝度を少し下げるといい感じになる。画質調整機能での操作性はいまひとつなので、要改善だろう。

    便利機能も充実。スクリーンや壁面に向け測定光を発射し、最適な焦点調整、台形補正をする「自動台形補正」、目の安全のためにプロジェクターのレンズ部をのぞくと光量を落とす「目の保護機能」、白壁でなくとも正しい色を再現する「壁色適応機能」など、スマートな自動調整が多数。内蔵スピーカーの音もなかなか好適。手軽に大画面を楽しみたい向きにお薦めできる、ハイクオリティなプロジェクターだ。

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    内蔵スタンドを装備したスタンド一体型で、取付台などの追加が不要。垂直方向には135度、水平方向には360度の調節が可能で、天井への投影も簡単だ。

    麻倉怜士

    デジタルメディア評論家。デジタルシーン全般の動向を常に見据える。著書に『高音質保証! 麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)などがある。

    問い合わせ先/XGIMI サポートセンター
    mail:Support@xgimi.jp

    ※この記事はPen 2024年12月号より再編集した記事です。