東京の満員電車が快適に思える瞬間。それは、インド・ムンバイの通勤ラッシュを目の当たりにしたときだろうーー。
インドで最も人口の多い都市・ムンバイの通勤ラッシュが「カオスすぎる」と話題になっている。驚くべきことに、毎日約750万人が利用するこの電車は、「世界で最も過密な通勤電車」として知られている。この状況にあなたは耐えられるだろうか?
通勤ラッシュの様子を捉えた動画には、ホームにぎゅうぎゅうに詰まった人々が映っている。“ドアの無い”電車が到着すると、人々は我先にと車内に乗車。入りきらない人々の中には、電車の屋根に登る者や、必死に押し合う光景が広がり、まさに命がけの通勤だ。これが日常の通勤風景だと考えると、思わず逃げ出したくなるだろう...。
また、実際にムンバイの電車に乗った観光客が撮影した動画では、通勤ラッシュの時間帯ではないにもかかわらず、ドアは開いたまま。すれ違う電車との距離も近く、「ドアの近くにいる時は注意が必要だね」と男性は話している。
---fadeinPager---
「定員100人に対し、約450人の乗客...」満員電車から浮かび上がる課題
人口は約2000万人に達し、現在も急増を続けているムンバイ。その人口密度はニューヨークの約2倍でありながら、高層ビルはほとんど存在していない。住宅価格の高騰により、多くの人が郊外に住むことを余儀なくされ、ムンバイの電車は彼らにとって欠かせない移動手段となっているが、この過密によって多くの課題が挙げられている。
政府鉄道警察(GRP)の統計によると、毎日平均7人が電車事故で命を落としており、2023年には2590人が郊外の鉄道線路で亡くなっている。屋根に乗って感電死するケースや、混雑した車両からの転落、さらには線路を横切る際の事故が頻発しており、通勤はまさに命懸けなのだ。
鉄道活動家のサミール・ザヴェリ氏は、この問題について次のように述べている。
「近郊列車は12両編成で定員約1,200人ですが、ピーク時には約5,500人が乗り込むため、各車両の定員100人に対して約450人の乗客が押し込まれています。このため、混雑が原因で走行中に転落する危険性が高まっています」
また、地元警察はパトロールを強化しているものの、不法侵入者が後を絶たない状況に直面しているといい、「隙間を見つけたらすぐに鉄道会社に連絡し、フェンスで囲むことで犠牲者を出さないように努めてほしい」と訴えている。このような過密な都市での通勤は、日々命がけなのだ。ムンバイの通勤ラッシュが続く中、政府の今後の対策に注目していきたい。
---fadeinPager---
---fadeinPager---