ガラス職人の技が光る、フィンランドの自然を映し出したイッタラの新コレクションが登場

  • 写真:加藤純平
  • スタイリング:今吉高志
  • 文:久保寺潤子
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フィンランドの自然を芸術的にインテリアに昇華させた「カーモス」コレクション。左から、デコレーティブアイス プラター(W260×H47mm、12月11日発売)¥52,800、パラス ベース クリア(H215mm、12月11日発売)¥106,700、カルヴォラン カント ベース セビリアオレンジ(H140mm、来年1月発売予定)¥132,000/すべてイッタラ

フィンランドデザインのパイオニアであるイッタラの新クリエイティブディレクター、ヤンニ・ヴェプサライネンは、アートとクラフトへのコミットメントを提唱。そんなヤンニ・ヴェプサライネンのセカンドコレクションであり、フィンランドの極夜を象徴する新コレクション「カーモス」が、12月に日本でもお目見えする。

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流氷を思わせる「デコレーティブアイス」は小物を置いたり、食卓でプレートとして使ったりと幅広い使い方が可能。デコレーティブアイス プラター(W260×H47mm、12月11日発売)¥52,800/イッタラ

復刻のアートピースに加え、新しいデザインやカラーで構成された「カーモス」コレクション。今回復刻されるのは、イッタラを代表するガラスデザイナーであり彫刻家、タピオ・ヴィルカラの作品だ。フィンランド語で「極夜」を意味するカーモス。フィンランドの冬は長く、ラップランドでは12月から1月まで太陽がまったく昇らない時期がある。そんなラップランドの自然に着想を得たヴィルカラの作品は、暗闇の中でわずかな光が神秘的に広がる自然の姿を切り取ったかのようで、光の当たり具合によって幻想的に美しく輝く。

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光が差し込むと、さまざまな表情を見せる独特のテクスチャーは自然を深く観察して生まれた。フラワーベースとしてはもちろん、アートピースのように単体でオブジェとしても楽しめる。アルニカ ベース クリア(12月11日発売)左から¥52,800(φ80×H182mm)、¥38,500(φ115×H142mm)/ともにイッタラ

1960年代にフィンランドデザインの象徴ともいえる作品を数多く生み出したタピオ・ヴィルカラは、イッタラのデザインに革命をもたらした。ガラス職人とともに工場で多くの時間を費やし、ガラスの表面に自然をそのまま映し出したような表現方法を取り入れたのだ。カーモスコレクションではヴィルカラのデザインによる「パラス」(1969年)と「アルニカ」(74年)のベース、流氷を思わせる「デコレーティブアイス」(76年)などのアーカイブを復刻。またヴィルカラの代表作ともいえる「ウルティマツーレシリーズ」(68年)の中で最も人気の高いバーウェアが、夕焼けを思わせる深いコッパーカラーで登場する。

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人気アイテム「ウルティマツーレ」のカラフェとペアグラスがコッパーカラーで復刻。光の加減で色が変化するガラスを愛でながら、長い冬の日をゆっくり過ごしたい。中央の、ウルティマツーレ カラフェ コッパー(12月11日発売)¥23,100 、オールドファッションS ペア コッパー(12月11日発売)¥7,920/すべてイッタラ

これらのテクスチャーが特徴的なヴィルカラの作品には、型にガラスを流し込んで職人が一つひとつ制作するキャスティングという技法が用いられている。存在感のある「パラス」のベースに、ヒバやマツなどのフレッシュなグリーンを大胆に活ければ、部屋全体をスタイリッシュに引き締めてくれる。また流氷を思わせる「デコレーティブアイス プラター」は、単体でオブジェとして楽しめるが、小物入れやソープディッシュ、デザートプレートなど幅広く使える。家で過ごすことが多くなるこれからの季節、自然を感じさせる美しいアートピースを暮らしに取り入れてみてはいかがだろう。

また、2025年4月から東京ステーションギャラリーにて、タピオ・ヴィルカラを紹介する日本初の大規模個展「タピオ・ヴィルカラ展」が開催予定。こちらもぜひチェックしてみてほしい。

イッタラ

www.iittala.jp

TEL:03-5774-0051(イッタラ 表参道ストア)