フィンランドデザインのパイオニアであるイッタラの新クリエイティブディレクター、ヤンニ・ヴェプサライネンは、アートとクラフトへのコミットメントを提唱。そんなヤンニ・ヴェプサライネンのセカンドコレクションであり、フィンランドの極夜を象徴する新コレクション「カーモス」が、12月に日本でもお目見えする。
復刻のアートピースに加え、新しいデザインやカラーで構成された「カーモス」コレクション。今回復刻されるのは、イッタラを代表するガラスデザイナーであり彫刻家、タピオ・ヴィルカラの作品だ。フィンランド語で「極夜」を意味するカーモス。フィンランドの冬は長く、ラップランドでは12月から1月まで太陽がまったく昇らない時期がある。そんなラップランドの自然に着想を得たヴィルカラの作品は、暗闇の中でわずかな光が神秘的に広がる自然の姿を切り取ったかのようで、光の当たり具合によって幻想的に美しく輝く。
---fadeinPager---
1960年代にフィンランドデザインの象徴ともいえる作品を数多く生み出したタピオ・ヴィルカラは、イッタラのデザインに革命をもたらした。ガラス職人とともに工場で多くの時間を費やし、ガラスの表面に自然をそのまま映し出したような表現方法を取り入れたのだ。カーモスコレクションではヴィルカラのデザインによる「パラス」(1969年)と「アルニカ」(74年)のベース、流氷を思わせる「デコレーティブアイス」(76年)などのアーカイブを復刻。またヴィルカラの代表作ともいえる「ウルティマツーレシリーズ」(68年)の中で最も人気の高いバーウェアが、夕焼けを思わせる深いコッパーカラーで登場する。
---fadeinPager---
これらのテクスチャーが特徴的なヴィルカラの作品には、型にガラスを流し込んで職人が一つひとつ制作するキャスティングという技法が用いられている。存在感のある「パラス」のベースに、ヒバやマツなどのフレッシュなグリーンを大胆に活ければ、部屋全体をスタイリッシュに引き締めてくれる。また流氷を思わせる「デコレーティブアイス プラター」は、単体でオブジェとして楽しめるが、小物入れやソープディッシュ、デザートプレートなど幅広く使える。家で過ごすことが多くなるこれからの季節、自然を感じさせる美しいアートピースを暮らしに取り入れてみてはいかがだろう。
また、2025年4月から東京ステーションギャラリーにて、タピオ・ヴィルカラを紹介する日本初の大規模個展「タピオ・ヴィルカラ展」が開催予定。こちらもぜひチェックしてみてほしい。