暖簾(のれん)の企画・デザイン・製作を⼿掛ける有限会社中むらは、のれん⽂化を研究・編集し、その価値を現代に伝えるオウンドメディア「のれん道(のれんどう)」をリリースした。代表の中村新氏が独自の視点で、のれんの魅⼒や⽂化について情報を発信していく。
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中むらが挑戦する伝統的な店の顔「のれん」の新たな取り組み
そもそも、のれんは、古くは埃よけや間仕切りとしての実⽤的な道具から始まっており、平安時代から存在していた。そして、江⼾時代には、多くの商店が店先にのれんを掲げる様になり、紋や屋号が染め抜かれたのれんは正に店の「顔」となった。
中むらは、中村氏が廃業していた実家の悉皆屋(しっかいや)の屋号を継ぐ形で、のれん事業として2014年に再稼働させた。さまざまな店舗や設計事務所などから相談を受け、顧客の要望に合わせたのれんの企画提案やデザインから携わり、最適な素材や染色技法でのれんを製作している。2022年に神田で開設したのれんのショールームでは、著名なクリエイターとのコラボレーションによるのれんを多く掲出しており、従来にはない革新的なデザイン表現にも挑戦している。今回リリースされた「のれん道」は、こうしたのれんの魅力を新たな文化的切口で多くの人に発信するための中むらの新しい試みだ。
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中村新氏が考える「のれん道」の展望
「のれん道」のコンテンツは、国内外の様々な文化とのれんとを比較し、考察をする「テーマ別記事」。古い文献を集め、暖簾にまつわる時代背景や使途を解説する「暖簾蒐集」。各分野の有識者との対談を通じて、のれん⽂化を再考する「暖簾考」の三つに大別されている。
今後の展開について、中村新氏は「のれんは、店の顔でもあり、⽇本⼈特有の『間』の感覚を持つ建具であるといえます。その内に秘めた魅⼒が伝わりきれていない『のれん⽂化』を伝えて、今後の新たな可能性に繋げる為の挑戦として『のれん道』は⽴ち上げました。のれんと国内外の様々な⽂物を透かすことで、その魅⼒を読者へ伝え、新たな道をつくれればと考えております。そして、『Noren』が世界共通の⾔語にしていきたいです」と語った。
「のれん道」では、のれんを単なる伝統のアーカイブとして保存するだけでなく、現代の⽂脈にあてはめ、今後どのように発展させていけるかを探求するという。のれんの歴史や⽂化を掘り下げ、過去と現代の視点を交えた、のれんの新たな道に期待したい。
のれん道
www.norendo.jp