ヴィンテージウォッチの人気がいま再熱している。現行モデルでは展開していないデザインやサイズなども多々あり、他の人とは“かぶらない”一点モノの魅力がそこにはある。近年は、時計専門店だけではなく、ファッション感度の高いセレクトショップでもヴィンテージウォッチのコーナーを設けている店が増えている。
そこで、品揃えが豊富な4つのセレクトショップに赴き、各担当者に推しの一本を紹介してもらった。ヴィンテージウォッチとの出会いは一期一会。定期的に足を運んで、ぜひ運命の一本を見つけてほしい。
Pen 2024年12月号の第1特集は『100人が語る、100の腕時計』。腕時計は人生を映す鏡である。そして腕時計ほど持ち主の想いが、魂が宿るものはない。そんな“特別な一本”について、ビジネスの成功者や第一線で活躍するクリエイターに語ってもらうとともに、目利きに“推しの一本”を挙げてもらった。腕時計の多様性を愉しみ、自分だけの一本を見つけてほしい。
1. バーニーズ ニューヨーク銀座本店
パテック フィリップ「カラトラバ」
ディテールに宿る、63年前の手仕事
バーニーズ ニューヨーク銀座本店の1階にはヴィンテージウォッチのコーナーがあり、ロレックス、パテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、プレミアムなラインアップが幅広く揃う。
「以前までヴィンテージウォッチの顧客層は40~50代がメインでしたが、最近は30代のお客さまが増えています。このカラトラバのダイヤルのロゴは、彫金師が手作業でコンマ数ミリを削り、そこにエナメルを流し込んで固めたエナメル象嵌のもの。1960年代まで見られた、とても手の込んだクラフツマンシップあふれるディテールです」
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2. エイチ ビューティー&ユース
カルティエ「タンク マスト」
幅広い人気を誇る、名作のエントリーモデル
最先端のファッションアイテムを見て回りながら、ブレスレット感覚で気軽に手に取れるように、比較的低価格帯のヴィンテージウォッチを中心に並べるエイチ ビューティー&ユース。なかでも不動のいちばんの人気モデルがカルティエの「タンク マスト」だという。
「去年タンク マストが復刻されたこともあり、ファッションウォッチとしての存在感がさらに高まっています。一般的にはタンク ルイ・カルティエと同じブラックローマンダイヤルが人気だと思いますが、こちらではマストならではの珍しいデザインも人気です」
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3. コンティニュエ エクストラ・スペース
IWC「Cal. 853」
シンプルで毎日使える、60年代の名機
アイウエア専門セレクトショップの機能を拡張させる実験スペースとして、8年前にオープンしたコンティニュエ エクストラ・スペースでは、アイウエアやアパレルとともに、日常でも使いやすく、シンプルで美しいヴィンテージウォッチをラインアップする。
「これは1962年製のインターナショナル・ウォッチ・カンパニーで、巻き上げ効率と耐久性に優れたペラトン式自動巻きムーブメント『Cal.853』を使用した名作です。リセール価値や希少性で選ぶのではなく、自分のスタイルに合う時計を探していただけたらと思います」
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4. メゾン エ ヴォヤージュ
ブレゲ「クラシック ツインバレル」
装飾が美しい、クラシックなルックス
昨年麻布台ヒルズのオープンに合わせて開業したメゾン エ ヴォヤージュでは、1960~80年代のヴィンテージを中心に、独自にセレクトしたプレミアムな腕時計を取り扱っている。
「90年代製のブレゲ『クラシック』は、初期モデルならではのアイボリーダイヤル、繊細なギョーシェ彫り加工、ケース側面のコインエッジ装飾、シースルーバック、ブレゲ針と、見応えのあるディテールが詰め込まれた一本です。このクラシックなルックスとは裏腹に製造年が若いモデルなので、初心者でも扱いやすいモデルだと思います。
『100人が語る、100の腕時計』
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