米歌手ルーミスが、生放送での国歌斉唱で音を外し、放送禁止用語を連発した。批判を受け、後に謝罪し釈明している。
ルーミスが国歌斉唱を任されたのは、ケーブルチャンネルC-SPANで10月24日、米大統領選に向けて放送された番組だ。超党派の非営利組織「Free & Equal Elections Foundation」が主催し、無所属候補たちが生放送で討論するというものだった。
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音を外して「やっちゃった」
討論会が始まる前、ルーミスがセットに登場した。候補たちが胸に手を当てる中、米国歌「星条旗」をアカペラで歌う。
序盤は順調に見えたが、後半「And the rocket's red glare(訳:ロケットの赤い輝き)」の部分で音を盛大に外してしまう。
ルーミスはこれに動揺したのか、放送禁止用語を交え「やっちゃった、しくじった」「やり直していい? お願い」と聞く。スタッフから「生放送です」と説明されると、驚いた表情を見せるも、歌唱を続けた。
ところが、次の「The bombs bursting in air(訳:空中で炸裂する爆弾)」で再び音を外してしまう。ルーミスは間髪を容れずに「すごく緊張してるの」と呟いた。後ろで立つ候補たちを含め、スタジオに気まずい空気が流れる。
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動画で謝罪「台無しにするつもりは……」
その後番組は進行したが、視聴者の注目はルーミスのパフォーマンスに集まった。
討論番組という場で放送禁止用語を連発したことを非難する声や、歌唱力の未熟さに指摘があがった。ネットではルーミスを擁護するファンや、国歌中に放送禁止用語が流れたことをおもしろがる人もいた。
ルーミスはInstagramのストーリーズを更新し、別のパフォーマンス動画をあげ「私はそんなに下手じゃないから」と書いたが、彼女の国歌斉唱はSNSで拡散され続けた。
10月28日、ルーミスはInstagramを再度更新。動画を投稿し、謝罪した。
「まず最初に、(主催の)Free & Equalの政治チームに、この騒動について謝罪させてください。心の底から謝ります。国歌斉唱を台無しにするつもりはありませんでした。私を信じて、機会を与えてくれてありがとうございました。失敗してしまってごめんなさい。どうか許して」
小さい頃から国歌斉唱に憧れており、とても緊張していたと説明した。投稿文では、当日遅刻してしまい、詳しい説明を受けないまま舞台に立ったと書いている。
ファンからは「誰も完璧じゃない。失敗はみんなするものだよ」「そのうち過ぎ去るから大丈夫!」「応援しています! あなたは素晴らしい歌手」など応援のコメントが寄せられた。
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過去のハプニングも槍玉に
ルーミスの件が話題になったことで、ネットでは過去の似た事例が再浮上している。
2018年、ブラック・アイド・ピーズのボーカル、ファーギーが、NBAオールスター戦の試合で国歌斉唱を担当。独特なアレンジを加えたことで物議を醸した。選手たちが笑いを堪える様子もカメラに抜かれてしまい、当時動画が拡散された。
ルーミスの国歌斉唱に際し「大丈夫、ファーギーがいる」「これでファーギーは安らかに眠れるね」といったコメントが目立った。
今年7月にも、MLBのホームラン競争で、カントリー歌手イングリッド・アンドレスが披露した国歌斉唱に批判が集まった。
イングリッドは翌日「昨夜の私は本当の私ではありません」と声明を発表し、酒に酔っていたことを明かしている。「必要な支援を受けるため施設に入ります」と宣言した。
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米歌手のルーミス。本人のInstagramより。
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謝罪の様子。本人のInstagramより。
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