世界を駆け回るジャーナリストが、“人生の転機”に選んだ特別な腕時計

  • 写真:丸益功紀(BOIL)
  • 文:石川博也
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朝日新聞社で長年ファッションや腕時計の取材をしてきたジャーナリストの後藤洋平。ある"人生の転機"で購入を決意した腕時計とは?

Pen 2024年12月号の第1特集は『100人が語る、100の腕時計』。腕時計は人生を映す鏡である。そして腕時計ほど持ち主の想いが、魂が宿るものはない。そんな“特別な一本”について、ビジネスの成功者や第一線で活躍するクリエイターに語ってもらうとともに、目利きに“推しの一本”を挙げてもらった。腕時計の多様性を愉しみ、自分だけの一本を見つけてほしい。

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人生の転機に手に入れた、特別なGMT

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後藤洋平●ジャーナリスト。1976年、大阪府生まれ。99年、報知新聞社入社。2006年、朝日新聞社に移籍し、警察関係などを担当。21年から編集局編集委員に就任。腕時計、ファッションを中心に取材をしている。

ジャーナリストの後藤洋平が、機械式時計の魅力に本格的に目覚めたのは2019年。世界的な時計見本市であるバーゼルワールドに取材で訪れた時のことだった。

「ファッション取材で訪れるパリやミラノのコレクション会場とは違い、バーゼルの時計見本市の会場には、服装には無頓着なのに何百万円もする腕時計を当たり前のように着けている人がたくさんいて、衝撃を受けたんです」

それから取材を重ねるうちにのめり込み、多くの腕時計を所有するようになった後藤だが、昨年、大きな病気を患っていることが判明する。手術は無事に終わったものの、「人生いつなにが起きるかわからないので悔いのないように」と考え、以前から気になっていたパルミジャーニ・フルリエの「トンダPF GMT ラトラパンテ」を思い切って購入した。

「『クロノス日本版』編集長の広田雅将さんにお薦めされたんです。別の地域の時間帯を表すGMTを、わざわざラトラパンテと呼ばれる、通常はクロノグラフの第2秒針のために使う機能で作動させている(笑)。そんな複雑なことをやっているのにも関わらず見た目はスマート。そこが好きです。ダイヤルのカラーはミラノブルーという名称で、現地の濃厚な空の色を表しているところも気に入りました。初の海外旅行先がミラノで、いまも大好きな街なので」

現在、所有する機械式時計は約25本。そのすべてを自宅から近い銀行の貸金庫に保管し、出社前に立ち寄って、その日着用する一本を持ち出しているという。海外出張の際に金庫から取り出すのはもちろん、この腕時計だ。

PARMIGIANI FLEURIER / パルミジャーニ· フルリエ「トンダ PF GMT ラトラパンテ」 

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