異素材ミックスが楽しい、秋の味覚パンは今年オープンの「エトヌンク 代官山」で

  • 写真・文:一史
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エトヌンク 代官山」のメディア向け秋の新作試食会に参加してきました。
同店がパレスホテル系列であることから、同ホテルの広報さんよりご案内をいただきまして。

2024年4月にオープンしたばかりの代官山への新規参入ブーランジュリー。
代官山にパン屋を出店するのって、ハードル高くないですか!?
おいしいパン屋がたくさんありますから競合が多いでしょう。
代官山=パンの街なイメージ。
でもパン好きが集まるからこそ、味に自信があるならここへの出店がベストなのかもしれません。
しかもエトヌンク 代官山が入ったテナント施設は、ほぼ駅直結で2023年10月に誕生したモダンお洒落な「フォレストゲート代官山」。
全国で1店舗だけのエトヌンク 代官山は、この散歩する暮らしの街と相性がよさそうです。

そんなこんなを考えつつ、夕方遅くの試食会に足を運びました。
「おいしいのだろうけど、まぁパンはパンだし意外性は期待薄だなぁ……」と軽い気持ちで。

結果。
よかったです。
なにがいいって、バランスが。

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試した秋の新作パンのうち、上写真の下部3点の感想をお話しします。
上部の料理がぎっしり乗ったスライスパンやサンドイッチは、「おいしそう!」そのままの味と思っていただだければ。
(店内イートインのみ)
下部3点のペストリー系は、見た目でわからない味の奥行きがたっぷりと。

ただここでひとつお伝えしとくべきことが。
今回食べたのは、試食用にミニチュア化してつくられた別のパン。
(写真なし)
素材や製法は同じでも、販売商品とは明らかに味の印象が異なります。
パンはガリッとかじる食感や口のなかで混ざり合う味の調和が重要。
ミニサイズではちゃんとした判断ができないのです。
この記事でお話する味の感想は、あくまでも参考程度にお聞きくださいませ。

そのうえで全体的に印象的だったのが、どのパンも甘みと塩味とが複雑にミックスされた味だったこと。
意外な組み合わせが口のなかに広がります。
さらに心地よかったのが、すべてちゃんと“パン”だったこと。
パンだけがシンプルに佇むこともなく、付け足しだけが自己主張することもなく。
一個食べるだけで、パンが添えられた料理を食べたような満足感を得られました。
(試食はミニサイズでしたけども)

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「さつま芋とゴルゴンゾーラ」¥518。
クロワッサン生地の上に乗ったのはローストアーモンド。
内側に芋ペースト、コルゴンゾーラチーズ入り。
さつま芋とチーズは意外な組み合わせのようですが、トロッとした食感同士ですから相性良し。
やや甘みがあり、チーズが塩っ気を足してスイーツとも食事とも分類できない味わい。

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「マロン」¥540。
上に乗った栗は天津甘栗。
甘栗のおいしさを再確認させてくれたパン。
外側のクロワッサン生地とココナッツがパリパリで、内側に仕込まれたカスタードクリーム&マロンペーストに食感を加えてます。
素材ひとつひとつの香ばしさがとてもよく、今回試食したなかでは私的ベストなパンでした。
(栗一個乗っただけのミニサイズでしたが。←しつこいわ)

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「栗とバナナのタルト」¥648。
甘そう!と思われるかもしれませんが、ほどほどの大人な風合い。
トッピングのコーヒーのクランブルやアーモンドが、ベタつく甘さを和らげているのでしょう。
砂糖の甘さ自体も控えめと思われます。
内側のクリームはカスタードとアーモンド。

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エトヌンク 代官山の基本的な考え方は、毎日食べるベーシックだそう。
今回の秋の新作は品揃えのアクセントの役割なのでしょう。
これを主軸にしてもよさそうと感じたほど、完成度が高くサプライズ感もあるラインナップでした。

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代官山駅からもっとも近くにある高品位なパン屋ともいえそうな店。
この近隣エリアで私的に大好きな店は、木・土の午後しか営業してない「空と麦」です。
(苦い抹茶大納言が悶絶の美味さ)
エトヌンク 代官山は年中無休で9:30〜18:30営業。
ファッション関連の仕事で平日に代官山に行きがちなわたしでもパンを買える率高し。
店とのいい出会いができた今回のイベントです。

エトヌンク 代官山(Et Nunc Daikanyama)

東京都渋谷区代官山街20-23 Forestgate Daikanyama MAIN 棟内
営業:9時半〜18時半   

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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