ルイーズ・ブルジョワ展からハニワと土偶の近代をたどる展覧会まで【今月の展覧会2選】

  • 文:河内タカ(アートライター)
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六本木ヒルズの「蜘蛛」の生みの親、ルイーズ・ブルジョワの核心に迫る

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『かまえる蜘蛛』2003年 © The Easton Foundation/Licensed by JASPAR, Tokyo, and VAGA at Artists Rights Society(ARS), New York  photo: Ron Amstutz

六本木ヒルズのパブリックアートとして有名な巨大な蜘蛛のブロンズ作品『ママン』。あの生みの親が、70年にわたってニューヨークで活動したパリ生まれのルイーズ・ブルジョワだ。ブルジョワの作品では蜘蛛が繰り返し登場する。実家がタペストリーの修復屋を営んでいたこともあり、糸で繕っていく行為と巣が壊されてもまたつくり直す蜘蛛の習性が母親の強さを暗示していると言われる。国内最大規模となる本展は約100点におよぶ作品を3章構成で紹介する。

『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ』

開催期間:~2025/1/19
会場:森美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~22時(火曜は17時まで。ただし12/24、31は22時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:無休
料金:一般平日¥2,000、土・日・祝¥2,200
www.mori.art.museum

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ハニワや土偶といった出土遺物と、アートとの関係性とは?

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岡本太郎『犬の植木鉢』1954年 滋賀県立陶芸の森陶芸館

ハニワや土偶といった出土遺物を美的に愛でる視点がいつ頃生まれ、美術を中心に創作のモチーフとなってきたのか、という系譜をたどる興味深い展覧会。岡本太郎は土偶に日本の原点としての美を見出し、イサム・ノグチ、宇野三吾、建畠覚造は陶芸や木彫でハニワをモチーフとした立体を制作した。他にもハニワや土偶のイメージが、70~80年代にかけて特撮やマンガといったサブカルチャーにも取り入れられていた事例などにも触れられていて、より関心を引き起こす。

『ハニワと土偶の近代』

開催期間:10/1~12/22
会場:東京国立近代美術館
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~17時(金・土は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(10/14、11/4は開館)、10/15、11/5
料金:一般¥1,800
https://haniwadogu-kindai.jp

※この記事はPen 2024年11月号より再編集した記事です。