ブランパンは複雑機構も自社開発・製造する真のマニュファクチュールだ。1980年代に復興の象徴として生まれた「シックス・マスターピース」に宿る精神は、現在もさまざまなコレクションの垣根を超えて引き継がれている。
真のマニュファクチュールを体現した、「シックス・マスターピース」
マニュファクチュールを名乗る時計ブランドの中でも、ブランパンの立ち位置は特別だ。1735年創業で、現存する世界最古のウォッチメゾンとして積み重ねてきた歴史と技術、そして機械式時計の限界へ挑戦し続けてきた姿勢は、単に自社製ベースムーブメントがある、ということとはまったく次元が異なる。
1980年代の初頭、機械式ムーブメントのエキスパートであるブランパンは、クオーツショックの逆風のもとで事実上の休眠状態にあった。それでも信念を曲げることなく、むしろ世の風潮に敢然と立ち向かった。「ブランパンは過去にも未来にも、機械式時計しかつくらない」。当時のブランパンの宣言は、その後のスイス時計産業の復活の狼煙となった。
その言葉をさらに上書きするように、80年代を通してブランパンは、機械式時計の頂点を目指す。「シックス・マスターピース」と呼ばれる6本の傑作機械式時計を、すべて自社製ムーブメントで開発・製作したのである。ラインアップは「コンプリートカレンダー ムーンフェイズ」「ウルトラスリム」「パーペチュアルカレンダー」「ミニッツリピーター」「スプリットセコンドクロノグラフ」「フライングトゥールビヨン」。どれかひとつだけでもブランドの看板になる機械式腕時計の超絶技巧を、次々に制覇していったのである。悠久の歴史を持つブランパンは、この6本によって特別なマニュファクチュールになった。
シックス・マスターピースで最初に誕生したのが「コンプリートカレンダー ムーンフェイズ」。その伝統は、現在の最新鋭ムーブメントに引き継がれている。
メゾンの創業地の名を冠した「ヴィルレ」コレクションには、華麗な搭載モデルが勇姿を見せる。ゴールドのケースにフォレストグリーンのサンレイダイヤル。洒脱な文字盤の色みは、スイスのジュウ渓谷ル・ブラッシュにあるアトリエを囲むモミの森からインスピレーションを得たものだ。高度な表示機構と、高尚なドレスウォッチの魅力が融合する。
返す刀で、その特別な自社製ムーブメントをダイバーズウォッチに乗せたのが「フィフティ ファゾムス バチスカーフ コンプリートカレンダー」である。シースルーバックからのぞくムーブメントは、仕上げもローターの色も美しい。
複雑な機構を自社で一からつくり、人の目に触れない箇所まで仕上げにこだわるのが、真のマニュファクチュールの特質だ。時代に迎合した時計はつくらず、理想を実現する未知のムーブメントを生み出す。その伝説を継承する時計は、いまも我々の想像の、はるか上を超えるのである。
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アトリエを囲む森を思わす、優美なグリーンの色合い
ふたつのギシェ(小窓)で月と曜日、ポインター式のデイトを示す、コンプリートカレンダー。口角を上げ、左向きに流し目を送る擬人化されたチャーミングなムーンが、月相を約29.5日のサイクルで表示する。コート・ド・ジュネーブ仕上げの「キャリバー6654」を搭載し、ギョーシェ細工を施したゴールドローターを装備。
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幻想的な機構をフルセラミックでスポーティに昇華
「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」に初となるセラミックブレスレットモデルが登場。サンバースト仕上げのグリーンダイヤルがスポーティな趣を見せるダイバーズウォッチは、ケースやブレスレットだけではなく、逆回転防止ベゼルにもリキッドメタルで目盛りを刻んだグリーンセラミックインサートをのせたオールセラミック仕様。クラシックでドレッシーな機構と、スポーツシックな装いを融合させた逸品だ。
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本格防水で都会にも合う、ブルーグラデーションのダイバーズ
コンプリートカレンダーとムーンフェイズを初めてセラミック製ケースに搭載した「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」の新作が誕生。繊細なグラデーションを施したサンバーストブルー文字盤を採用した。ダイヤルはブルーとグリーンのほか、ブラックも用意。高い防水性能を持つ本格派ダイバーズながら、コンプリートカレンダーを備えてタウンユースでも映えるという、ふたつの顔を持つ。