新文芸坐

『秘めたる優しさと狂気　映画俳優・役所広司』 

ヴィム・ヴェンダース監督による日独合作映画『PERFECT DAYS』や、TBSテレビで放送された連続ドラマ『VIVANT』に出演し、唯一無二の存在感を魅せてきた役所広司。池袋のミニシアター・新文芸坐は、10月16日から31日まで、彼にフォーカスした特集『秘めたる優しさと狂気　映画俳優・役所広司』を上映する予定だ。本特集で集められた役所広司の主演作６作品は、彼の表現の奥深さをたっぷりと堪能できるラインナップとなっている。

『極東黒社会 DRUG CONNECTION』は東映が香港マフィアを題材に制作した記念すべき第一作だ。香港ノワールを彷彿とさせる本作は、若かりし頃の役所広司のハードボイルドな熱さを感じさせる。ペルー育ちのタクシードライバーを演じた伝説的なロードムービー『KAMIKAZE TAXI』や、妻の“裏切り”によって人生の転換を余儀なくされる男に扮した『うなぎ』では、陰影に富んだ爆発的な演技力を見せた。数々の賞を受賞した『EUREKA／ユリイカ』で披露した「無言」の演技は、217分という長尺をあっという間に感じさせてくれる。世界最強の映画監督、黒沢清が手掛けた『CURE』と『ドッペルゲンガー』も贅沢に上映プログラムに含まれている。どちらも国際的に評価され、その名を世界に轟かせるきっかけとなった。新文芸坐にて同時上映する予定の特集『黒沢清 映画の作法』も合わせて観たい。

お得に鑑賞できる2本目割引で、役所広司の個性を味わえる本特集。優しさから狂気まで、いろんな顔を見せてくれる彼の魅力を、ぜひこの機会にスクリーンで楽しんでほしい。

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