食事の様子を定点カメラで撮影した「モッパン」動画を、TikTokやYouTubeで見かけたことがあるだろう。とは、韓国語の「먹는(モンヌン、食べる)」と「방송(バンソン、放送する)」を合わせた言葉で、SNSで人気のジャンルだ。
スタイルはさらに枝分かれするが、一度に大量の食べ物を食べる「エクストリームフードチャレンジ」のコンテンツにもファンが多い。
---fadeinPager---
「不健康すぎる」心配されていた大食いYouTuber
アメリカのYouTuber、ニコカド・アボカドも人気クリエイターのひとり。6つのYouTubeチャンネルには、計900万人近いフォロワーがいる。彼は時に1万、2万キロカロリーを超える量のジャンクフードや激辛スナックなどを、手や顔を汚しながら貪り食う。
あまりに過激な食いっぷりに、彼の健康を懸念する声や、「再生回数のためにゆっくり自死している」という同業者からの指摘もあった。
そんなニコカド・アボカドの更新が、7カ月止まった……と思いきや、9月6日に投稿された動画には、まったく別人かのように痩せた彼の姿があった。
---fadeinPager---
実は2年前から減量
「Two Steps Ahead(二手先を行く)」と題された25分の動画で、ニコカド・アボカドことニコラス・ペリーは「僕は常に二手先を読んでいる。これは僕にとって、人生最大の社会的実験だった」と語る。
「今日、僕は長い夢から目覚めた。250ポンド(約113キログラム)痩せてね。昨日まで、人々は僕のことをデブで病気でつまらないと言っていた」
ニコラスは、秘密裏に2年かけて減量に励んでいた。過去に動画を撮り溜め、時間の経過がバレないように頭をそり、まるで最近撮影したかのように編集したコンテンツを配信していた。
同時にダイエットに否定的な発言をする動画も配信し、まさか100キロ超の減量中だとは微塵も思わせないようにしていた。
NBCニュースによると、最も重かった時は体重が190キログラム近くあったという。詳しいダイエット方法について明かしていないが、InstagramやXで新たなアカウントを作り、ビフォーアフター写真を掲載している。投稿には「諦めないで」と書いた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ダイエットの成功を偽装している、または人工知能を使って動画を編集しているといった声もあるが、ニコラスは動画の内容は真実だと同紙に主張した。あるファンは痩せたニコラスと写真を撮り「みんな、彼は嘘をついていない」とTikTokに投稿している。
---fadeinPager---
「ネットを真に受けないで」YouTuberの警告
「社会実験」の背景について、ニコラスはNBCニュースに次のように語った。
「みんなが僕を指さして過食を笑っていたけど、その間僕はずっと完全に(自分を)コントロールできていた。人々はネット上の有名人に夢中になり、そのコンテンツを熱狂的に見ている。そこには、より深いレベルの過剰消費が潜んでいる。僕はそれを表現したかった」
「ネットで得ることを真に受けないようにと警告したかった。すべてが見たままとは限らない」
暴露動画は4000万回近く再生されており、多くの反響が寄せられている。
「この動画はYouTubeの歴史に残る」
「死んだキャラクターが悪役になって復帰したみたいだ」
「『ニコカド・アボカドが痩せたら私も痩せる』と自分に言い聞かせてきた。もう言い訳できない」
「とにかく健康そうでなにより」
---fadeinPager---
ダイエットにより100キロ以上の減量に成功した、ニコカド・アボカド。自身のInstagramより。
ダイエット前の姿、自身のInstagramより。
---fadeinPager---
エクストリームフードチャレンジの様子。自身のInstagramより。
---fadeinPager---