腕が腫れて異常なほどパンパンに…ハードな筋トレをやり過ぎて、ER行きになった女性が話題に

  • 文:山川真智子
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高強度のトレーニングプログラムに参加した女性が、過度なワークアウトの翌日、腕がパンパンに腫れ上がっているのに気が付いた。病院に行くと、医師たちは腕を見て即座に生命を脅かす病気だと診断。女性はそのまま入院して治療を受けたため回復したが、筋トレのやり過ぎが思わぬ事態になると、警鐘を鳴らしている。

懸垂がきっかけ?過酷な大会に向けトレーニング 

この悲惨な出来事を経験したのは、米サウスカロライナ州に住むジェシカ・ジョンソンさん(25歳)。メンズ・ジャーナル紙によれば、ジョンソンさんはマーフ・チャレンジという大会に参加する予定でトレーニング中だった。この大会は、男性は9kg、女性は6kgのベストを着け、1マイルのラン、スクワット300回、腕立て伏せ200回、懸垂100回のサーキットをこなし、その後さらに1マイルを走るという非常に強度の強い内容となっている。

学生時代、体操選手として活躍したジョンソンさんは運動が得意で、決して不健康なタイプではなかったという。しかしニューヨーク・ポスト紙によれば、懸垂5回を10セットやった後、かなり疲れてジムを後にした。

異常な腫れと痛みが…手の感覚も喪失

翌日になると、ジョンソンさんの腕には、これまで経験したことのないひどい痛みと腫れが襲ってきた。しかし、しばらく懸垂をやっておらず、トレーニング自体がハードだったことから、しばらくすれば収まると思ったという。

ところが、シャワーを浴びて歯を磨こうとしたとき、ジョンソンさんは腕をまっすぐに伸ばせないことに気付いた。腕の腫れは、数日後には友人たちが“超人ハルク”に例えるほど大きくなり、大量に水を飲んでいたにも関わらず、尿の色が黒ずんだオレンジ色になっていたという。

その後、ジョンソンさんは手の感覚を失い、病院を受診。医師たちは彼女の腕を一目見て、すぐにER(救急救命室)に行くように伝えたという。

高強度の運動が引き金に やり過ぎは禁物

その後の検査結果から、ジョンソンさんが罹っていたのは「横紋筋融解症」だと分かった。これは、筋肉が壊れて血液中に有害な化学物質が放出される、生命を脅かす病気だ。高強度の運動によって引き起こされることが多く、ジョンソンさんの場合も当てはまるという。腕が腫れていたのは、筋肉の中で細胞が爆発しているような状態になっていたためで、腫れを和らげるために、切開する場合もあるという。

さらに医師たちが心配したのは、長期的な腎臓障害で透析を余儀なくされるような合併症だったという。ジョンソンさんの肝臓にはダメージが残ったが、幸いにも腎臓に障害はなく、すっかり回復して退院できたということだ。

医師たちは彼女に、しばらくトレーニングを休み、今後は「クレイジーなワークアウト」をやめて徐々に運動を再開するようにアドバイスしたという。

ジョンソンさん自身も、今後はランニング、ウォーキング、ピラティスなど、穏やかな運動に切り替え、マーフ・チャレンジは一旦止めることにしたという。高強度トレーニングの危険性については、自分の経験を教訓にしたいと考えており、トレーニングのやり過ぎや、アグレッシブすぎる運動は、体にも健康にも良くないと話している。

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運動好きなジョンソンさん。写真中央のように腕がパンパンに。

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 横紋筋融解症の患者の黒ずんだ尿。